メンターがパワエレの信頼性試験を自動化、試験時間は10分の1に:実装ニュース
Mentor Graphics(メンター)は、MOSFETやIGBT、ダイオードなどを用いたパワーエレクトロニクスの信頼性を確認するパワーサイクル試験を自動化する装置「MicReD Power Tester 1500A」を開発。「試験時間を従来比で10分の1に短縮できる」(同社)という。
Mentor Graphics(メンター)は2014年5月13日、MOSFETやIGBT、ダイオードなどを用いたパワーエレクトロニクスの信頼性試験を自動化する装置「MicReD Power Tester 1500A」を開発したと発表した。
ハイブリッド車、電気自動車、鉄道、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを用いた発電システムなど、インバータやDC-DCコンバータなどのパワーエレクトロニクスを搭載する機器の市場拡大に合わせて、その信頼性を確認するパワーサイクル試験を短縮したいという要求も高まっている。しかしこれまでは、パワーサイクルの印加プロセスと、パワーサイクルの印加による影響の確認や不具合が発生した場合の原因特定のプロセスは別々に行う必要があり、時間がかかることが課題となっていた。
MicReD Power Tester 1500Aは、メンターの過渡熱測定装置「T3Ster」をベースに開発された。数万サイクルから何百万サイクルもの電力をパワーエレクトロニクスに印加すると同時に、内部のパワーデバイスの劣化状況をリアルタイムで診断できる。具体的には、半導体のダイを内部で接続するボンディングワイヤーのはく離、ダイとパッケージスタックアップの劣化や亀裂、はんだの熱疲労など、電力サイクルを連続して印加することによって発生する熱が原因となる一般的な機械的故障の解析に対応する。これによって、パワーサイクルを印加した後にパワーエレクトロニクスの内部を開いて検査する必要がなくなるので、大幅に試験時間を短縮できるというわけだ。同社によれば、「試験時間を従来比で10分の1に短縮できる」という。
研究室などで用いるT3Sterに対して、MicReD Power Tester 1500Aは工場などで利用される製造装置のような外観と堅ろう性を有している。タッチパネルによる簡易な操作も特徴の1つだ。MOSFET、IGBT、2極タイプの個別半導体であれば、最大3つのサンプルを同時に試験できる。
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