ベンツの“e”はプラグインハイブリッド車に、2017年までに10モデル投入:電気自動車
ダイムラーのメルセデス・ベンツブランドは、2017年までにプラグインハイブリッド車を総計10モデル投入する。2015年3月発売の「C 350 e」以降のプラグインハイブリッド車には、車両名称に“e”が付くことも明らかになった。
Daimler(ダイムラー)のMercedez-Benz(メルセデス・ベンツ)ブランドは2015年3月18日(欧州時間)、2017年までにプラグインハイブリッド車を総計10モデル投入すると発表した。2015年3月に欧州で発売する「C 350 e」を皮切りに、平均で4カ月に1モデルのプラグインハイブリッド車を投入することになる。またC 350 e以降に発売するプラグインハイブリッド車には、車両名称に“e”が付くことも明らかになった。
同ブランドは2014年9月に、「Sクラス」のプラグインハイブリッドモデル「S 500プラグインハイブリッド」を発売。エンジンとモーターを組み合わせたシステム最高出力は325kW、最大トルクは650Nmで、時速0〜100kmの加速は5.2秒、電池パックの電力によってモーターだけで走行できる距離(EV走行距離)は33kmとなっている。欧州の燃費基準における燃料消費量は100km当たり2.8l(リットル)、CO2排出量は65g/kmと良好だ。価格は10万8944.5ユーロ(約1400万円)である。
「S 500プラグインハイブリッドの成功」(同社)を受けて、2015年3月に欧州で発売されるのが「Cクラス」のプラグインハイブリッドモデルとなるC 350 eだ。システム最高出力は205kW、最大トルクは600Nmで、EV走行距離は31km。燃料消費量は100km当たり2.1lと、S 500プラグインハイブリッドよりもさらに良好だ。価格は、セダンが5万961.75ユーロ(約655万円)、ステーションワゴンが5万2627.75ユーロ(約677万円)である。
ダイムラーは、C 350 eのCO2排出量が、走行だけでなく、製造から廃棄・リサイクルまでを含めた製品ライフサイクルにおいても低減できることを示した。総走行距離が20万kmの場合に、C 350 eと、C 350 eのベース車となる「C 250」のCO2排出量を比較すると、C 350 eの充電に現在の欧州の電力ミックス(水力や火力、原子力、再生可能エネルギーなど)を使うと29%の削減(9.6トン)、再生可能エネルギーを使うと41%の削減(15.1トン)になるという。
C 350 e以降に投入するプラグインハイブリッド車としては、Cクラス以上のサイズの車両になるとしている。間もなく投入可能な例として挙げられていた車両名に、SUVの「GLEクラス」があった。
他にも、2015年3月開催の「ジュネーブモーターショー2015」では、プラグインハイブリッド車のコンセプトカー「V-ision e」を発表している。ミニバン「Vクラス」がベースで、システム最高出力は245kW、最大トルクは600Nmで、EV走行距離は50km。燃料消費量は100km当たり3.0lである。
ダイムラーの取締役で研究責任者を務めるThomas Weber(トーマス・ヴェーバー)氏は、「プラグインハイブリッド車は、自動車からのCO2排出を削減するキーテクノロジーだ。市街地では電池パックの電力だけで走行できる一方で、長距離を走行する場合にはエンジンとモーターを組み合わせた効率のよいハイブリッドシステムを使える」と述べている。
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