検索
特集

スズキの2015年モトGP参戦車両は「コーナリングマシン」エンジンはV型から並列に(2/4 ページ)

スズキのGPチーム 技術監督を務める河内健氏が、同社が2015年から2年ぶりに復帰する「ロードレース世界選手権」に向けた新型マシン開発の裏側について語った。これまでのマシンに搭載していたV型4気筒エンジンではなく、新たに並列4気筒エンジンを開発した理由とは何だったのか。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

並列とV型の特性の違いを探る

 モトGPの2011年大会に、最後のV型4気筒マシンで参戦したスズキは、レース休止期間に入った2012年から排気量1000ccの並列4気筒エンジンを搭載する新型マシンの開発を再び加速させた。スズキはこれまでモトGPの参戦マシンに並列4気筒エンジンを採用した経験はない。そこで開発チームは、まず並列4気筒エンジンのプロトタイプマシンを開発し、同社がこれまで使用してきたV型4気筒エンジンとの特性の違いを分析した。

 河内氏は、スズキが行った分析結果を基に、並列4気筒エンジンとV型4気筒エンジンの特性の違いについて説明した。同氏が1つ目に挙げたのが、走行安定性の違いだ。直進時、コーナリング時の安定性は並列4気筒エンジンの方が優れる一方で、マシンの切り返しの軽快さはV型4気筒エンジンに分があるという。

 河内氏は、こうした2つのエンジンの特性の差について「クランク軸も含めたエンジン全体が横長の並列4気筒エンジンの方が、V型4気筒エンジンよりもロール方向に慣性モーメントが大きいことがこの特性の差を生んでいる。また、出力性能に関しては、機械構造的な損失の面から考えるとV型4気筒エンジンよりもクランクジャーナルを多く持つ並列4気筒エンジンの方が不利となってしまう」と語った。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る