ICTの融合で次世代商用車を生み出す、富士通といすゞが共同研究:車載情報機器
富士通といすゞ自動車(以下、いすゞ)は、いすゞの主力事業である商用車の安全/快適/環境の分野における将来技術の共同研究を行うことで合意した。富士通の最先端のICTと、いすゞの商用車に関する知見を活用/融合して、安全かつ環境に優しい次世代の自動車システムの開発を目指す。
富士通といすゞ自動車(以下、いすゞ)は2015年3月9日、いすゞの主力事業である商用車の安全/快適/環境の分野における将来技術の共同研究を行うことで合意したと発表した。富士通の最先端のICTと、いすゞの商用車に関する知見を活用/融合して、安全かつ環境に優しい次世代の自動車システムの開発を目指すという。
共同研究のテーマは大まかに分けて3つある。1つ目は、いすゞの商用車に広く用いられているディーゼルエンジンから、ハイブリッドシステムや天然ガスエンジンなどさまざまなパワーソースに移行する「エネルギーシフトへの対応」である。2つ目は「運行安全性の向上」で、事故を起こすと大きな影響が出る商用車の安全向上を対象とする。3つ目の「ドライバー負荷低減」は、運転業務が長時間にわたることが多い商用車ドライバーにより負担の少ない運転技術の開発になる。共同研究のスケジュールは今後詰める。
両社は1990年に、商用車向けの電子制御ユニット(ECU)やテレマティクス向けの車載機を手掛けるトランストロンを合弁で設立するなど、さまざまな取り組みを進めてきた。
今回の共同研究は、トランストロンの枠組みを超えて、さらに大きな領域や視点から、既存の領域に捉われない新技術の開発に取り組むためのものだ。両社だけでなく、両社のグループ会社も共同研究に加わる。富士通グループであれば、富士通研究所や富士通テン、いすゞであればいすゞ中央研究所などになる。
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