抵抗とコンデンサ(その2)「コンデンサ」を知る:電子工作“超”入門(5)(1/3 ページ)
早いものでもう2月も末。寒暖差から春の到来を感じる日が増えましたが、いかがお過ごしでしょうか。先日、福島県を走る只見線に乗ってきました。雪国の雪は深く、すべてを真っ白に閉じ込めてしまったように見えました。
皆さん、こんにちは。ここでは簡単なポータブルアンプの製作を通じて、抵抗やコンデンサの読み方といった、初歩的な電子回路についての知識を学び、電子回路に親しんでもらう連載「電子工作“超”入門」の第5回目をお届けしたいと思います。
前回の「抵抗」に引き続き、今回のテーマは電機を蓄えたり放出する「コンデンサ」です。実はこのコンデンサというものが厄介でして、どのようにご紹介したらよいのかずっと頭を悩ませています。自分の頭を解きほぐす意味もかねて、基本的なところから始めてみましょう。
・電子工作“超”入門(4):抵抗とコンデンサ(その1)「キルヒホッフの法則」を知る
・電子工作“超”入門(3)電子工作的な観点でコンデンサを知ろう
・電子工作“超”入門(2):電子工作の基本のキ、抵抗を知ろう
・電子工作“超”入門(1):シンプルなポタアンを理解しながら作るための第1歩
コンデンサを計算する
中学校でも習ったはずなのですが、もう一度思い出す意味を込めて、コンデンサの計算について確認しておきましょう。
まずはコンデンサの容量です。容量C[F] は、電荷Q[C]と電極間の電圧E[V]で決定され、
となります。
この場合、静電容量CはF(ファラッド)という単位で表されます。ただし実際のパーツではFよりずっと小さい「μF(マイクロファラッド:10のマイナス6乗)」「pF(ピコファラッド:10のマイナス9乗)」の単位が使われています。
前にもご紹介したかと思いますが、もう一度確認しておきます。セラミックコンデンサなどで「103」という数字があるものは、1pFを基本として数字を表しています。「103」は1pF×10×10の3乗で10000pF、つまり0.01μFを表しています。同様に「224」だと22pF×10×10の4乗=2.2μFです。
表記例 | 容量 |
---|---|
102 | 1pF × 10 × 10の2乗 = 0.001μF |
103 | 1pF × 10 × 10の3乗 = 0.01μF |
104 | 1pF × 10 × 10の4乗 = 0.1μF |
続いてもう1つ計算式をご紹介します。平行板コンデンサを考えた時、電極版の距離をd[m]、電極版の面積S[m2]、誘電率をε[F/m]とすると、
と表現できます。
これは何を言っているかというと、コンデンサの容量を上げようと思った時には、電極版の面積を大きくするのか、電極板の距離を小さくするのか、誘電率(静電気力を受けて、電子が特定の極に異動する割合)を大きくするのか、この3種類で決まるということになります。実際の部品では、このほかにもどのくらいの電圧まで耐えられるのか(耐圧)が関係します。
なお、真空の誘電率はε0[F/m]で表され、
です。
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