特集
無償ソフトで3次元構造解析をしよう(後編):Adventure_On_Windowsの使い方(3/3 ページ)
無償で使えて、要素数や利用期間に制約もない「Adventure_On_Windows」で構造解析をしてみよう! 今回は、「モデリング&解析実践編」。
表2の操作で、要素タイプを「四面体二次要素」にし、perforatedplate.gm3dを読み込ませます。次に、表4の操作で、境界条件の設定において、拘束(面)では、Xだけにチェックを入れてください。
こうすることで、図6左側の条件、すなわち横方向のみ拘束することになります。また、荷重(面)では、Xにチェックを入れて、応力すなわち、5000/100/5=10を入力してください。
以上の操作を行い、Visualtoolで、変数→「相当応力」を選択すると、図7に示す相当応力分布が得られます。
図の最大値欄を見ると、30.64とあり、理論値の30MPaとほぼ同じ値となっています(単位系をmm、Nとしているため、Pa単位に換算すると計算結果の106倍となります)。
前・後編に渡って、AdvOnWinの使い方を簡単な例題で説明しました。有限要素法に限らず、CAE技術は実際に使ってみることで理解が深まります。もちろん、簡単な構造解析では実務に使うことも可能です。AdvOnWinを学習や実務に役立てていただけると幸いです。
筆者紹介
伊藤孝宏(いとう・たかひろ)
1960年生。小型モーターメーカーのエンジニア。博士(工学)。専門は流体工学、音・振動工学。現在は、LabVIEWを使って、音不良の計測・診断ソフト、特性自動検査装置などの開発を行っている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 無償の工学計算ソフト「FreeMat」をインストールしよう
無償の工学計算ソフトでも、かなり高度な計算ができる! 今回はインストール編。工学計算の初心者もぜひチャレンジしよう。 - フリーソフトだけで構造解析をやってみる(上)
フリーで使える解析ツールを筆者が徹底検証して紹介! 簡単な形状の部品なら、実務レベルの解析が十分できる。 - フリーソフトだけで構造解析をやってみる(下)
いよいよ前回作ったモデルをLISAで解析する。「CAEと材料力学が出合う」感動を実感しよう。 - 無償の工学技術計算ツール「Mathcad Express」を使ってみた
設計計算や制御計算など高度な活用から、日常使いのローエンドな活用まで幅広い、無償の工学技術計算ツール「PTC Mathcad Express」を使ってみた。「単位をごっちゃにして数式を書いても計算してくれる」など便利機能がいろいろある。仕事での面倒くさい計算が楽しくなる、かも!?