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無償の工学技術計算ツール「Mathcad Express」を使ってみた無償ツールレビュー(1/2 ページ)

設計計算や制御計算など高度な活用から、日常使いのローエンドな活用まで幅広い、無償の工学技術計算ツール「PTC Mathcad Express」を使ってみた。「単位をごっちゃにして数式を書いても計算してくれる」など便利機能がいろいろある。仕事での面倒くさい計算が楽しくなる、かも!?

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 「工学技術計算ツール」というと、「難解で使いこなせない」というイメージを持つ人も少なくないだろう。PTCの工学技術計算ツール「PTC Mathcad Prime」(以下、Mathcad)は、もちろん複雑で難解な工学技術計算も得意だが、「数式が自動認識される文書ソフト」としても利用できる。基本的な操作もWordなど文書ソフトを使う感覚で、すぐに覚えられる。

 無償版「PTC Mathcad Express」が、“使える”上に、無期限で使用可能だ。本記事では、そんな無償版の基本的な機能を中心に取り上げる。なお無償で使うにあたっては、PTCのユーザー登録(無料)が必要となる。

 記事最後では、有償版について少し紹介する。試用期間の30日以内であれば有償版に含まれる機能も無償で利用できる。

Mathcadはどんなツールなのか

 Mathcadの最大の特徴を大ざっぱに説明すれば、「ホワイトボードに書くように、数式が表示できること(WYSIWYG表示)」。

 例えば、Excelで計算しようとすると非常にややこしくなってしまう式が、Mathcadだとすっきりと書ける。


Excelの場合


Mathcadの場合

マスとテキスト

 まず、ごく基本的な機能を説明する。入力する要素は、数式とテキストに大別できる。「マス」(数式領域)は、文字通り、数式を入力するエリアとなる。数式を認識させない文字列は、ページ幅が入力エリア幅となる「テキストブロック」、もしくは入力エリア幅が調整可能な「テキストボックス」で入力する。難しいことはない。


テキストブロック


テキストボックス(下の行)

 Mathcadの主役ともいえるマスの機能の使い方も簡単だ。


マス(数式領域)の概要:図で表示されている「ソルバブロック」(連立方程式)は有償版機能なので試用期間が切れると使えなくなる。

 例えば、マスを使って「1+1」と書けば、「=」を入れた瞬間に「2」と自動的に書かれる。


当然「1+1は2」

 数に単位を付ければ、単位も認識される(必ず付けなくてもよい)。


mmを付加

 単位をごっちゃに書いても、勝手に計算してくれる。


mmだろうがmだろうが、とにかく答えを出す。

 inchとmmなど、単位系を混ぜて書いても大丈夫だ。ただし「長さ」と「時間」のように単位の要素が異なると、当然ながら計算できない。


単位系が混じっていても、この通り:inchは「in」、feetは「ft」と書く

 SI単位の「N」がスタンダードになっているものの、いまだに「kg/f」で計算する人もいる応力計算の際にも便利そうだ。ちなみに「mm2」のような乗数は「^2」と入力する。


ちょっとした「従来単位/SI単位」換算ツールを作る:「/」は現バージョンでは表示できない。

文字に対して定義する

 文字に対して数字や式を定義することができる。その場合は、以下のように「:=」(「コロン」と「イコール」)で定義をする。


定義の例

 一度定義した文字は、定義を記した下のエリアの計算で利用することが可能だ。


定義した文字を式に使う

 ちなみに、定義を記した上に式を持ってくると、計算不能になる。


計算できない例

 定義する対象は、日本語の言葉も可能だ。一度定義しておけば、言葉を数式に入れて計算することができる。


文字を数式に使う例

 もちろん「<」「>」「≦」なども定義に利用できる。


この場合、「肥満かどうか」は「1」か「0」で判定される

 マスの基本的な操作は、以上。後は、以下のようなさまざま演算子や記号を駆使して計算するだけだ。


さまざまな演算子

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