ニュース
災害現場での大出血を止める「世界初」の携帯型マイクロ波手術機器:MEDIX関西
滋賀医科大学は、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」において、「世界初」(同大学)とする携帯型マイクロ波手術機器を展示した。
滋賀医科大学は、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」(2015年2月4〜6日、インテックス大阪)において、開発中の携帯型マイクロ波手術機器を展示した。大阪市立工業研究所、オリエントマイクロウェーブ、サンエー精工、日機装、コダマ、トーカロとの産学官連携の成果となる。
この携帯型マイクロ波手術機器は、災害現場などで大出血している負傷者に対する止血を早急に行えるようにするため開発された。従来、負傷者をその場で止血する手法としては、包帯などを使って圧迫するのが一般的だった。しかし、災害現場のように、血管に達するような傷から大出血している場合には圧迫法では止血できない。
携帯型マイクロ波手術機器は、鉗子型の先端部にマイクロ波を流して血管そのものを封止することにより強力な止血を行う携帯型の医療機器だ。ガンタイプの鉗子部と、肩から下げる電源・制御部から構成されている。出力が約40Wのマイクロ波を10秒間流すことで、縫合糸を用いた結紮(けっさつ)と同レベルの止血が可能になるという。電源・制御部が満充電の状態から、約2時間分のマイクロ波施術を行える。
マイクロ波手術機器は、手術室内などで使う据え置き型の装置として利用されているが、「携帯型はこれが世界初になる」(滋賀医科大学)という。
2015年から事業化プロセスに入るが、認可を経て上梓されるのは2017〜2018年ごろになる見込みだ。
関連記事
- ダイハツの次世代エンジンは「マイクロ波プラズマ燃焼」で燃費を向上!?
フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは、「オートモーティブワールド2014」において、ダイハツ工業やイマジニアリングと開発を進めているマイクロ波プラズマ燃焼システムを紹介した。 - 電力変換システムのサイズが100分の1に、マイクロ波制御とGaNデバイスで実現
パナソニックは、マイクロ波によるパワーデバイスのスイッチング制御技術と、双方向型GaN(窒化ガリウム)パワーデバイスを用いたマトリクスコンバータから構成される超小型電力変換システムを開発した。一般的なインバータを用いる電力変換システムと比べて、電力損失を低減するとともに、100分の1以下のサイズを実現している。 - 宇宙太陽光発電の技術をEVに転用、三菱重工のマイクロ波方式ワイヤレス充電
三菱重工業は、宇宙太陽光発電システムの技術を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けに転用した、マイクロ波方式のワイヤレス充電システムを展示した。2015年ごろの実用化を目指して開発を進めている。 - UWBでケーブルなくした「世界初」超音波診断装置、シーメンス「ACUSON Freestyle」
シーメンス・ジャパンが、超音波プローブ部と本体との接続ケーブルをなくした超音波画像診断装置「ACUSON Freestyle(アキュソン フリースタイル)」を発表。「ケーブルレスの超音波画像診断装置は世界初」(同社)。無線通信にはUWBを採用した。 - 「世界初」3Dプリンタで人工骨を成形、薬事承認申請
NEDOの支援を受けた研究チームが、3Dプリンタでカスタムメイドの人工骨を成形する「世界初の技術」(NEDO)の薬事承認を申請。熱処理を伴わずに微細な成形を行える3Dプリンタ製の人工骨は、自骨への癒合も早く、時間経過で自骨に変化(骨置換)するという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.