ワンタッチで着脱可能な医療機器用丸形コネクタ、樹脂化で軽量かつ安価に:MEDIX関西
日本モレックスは、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」において、同社の医療機器向けコネクタ製品群「MediSpec」に2015年春から追加する新開発の丸形コネクタ「MPCコネクターシステム」を参考出展した。
日本モレックスは、「第5回 関西 医療機器開発・製造展(MEDIX関西2015)」(2015年2月4〜6日、インテックス大阪)において、同社の医療機器向けコネクタ製品群「MediSpec」に2015年春から追加する新開発の丸形コネクタ「MPCコネクターシステム」を参考出展した。
MPCコネクターシステムは、医療機器の装置間を接続するケーブルに用いるコネクタで、特徴は2つある。1つは、コネクタのオスとメスを接続する嵌合部の素材に樹脂を採用したことだ。既存の医療機器用の丸形コネクタは嵌合部に金属を用いていることが多い。これに対してMPCコネクターシステムは、樹脂を用いているので軽量であり、価格も抑えられるという。樹脂製ではあるものの、高温高圧のオートクレーブを使った滅菌処理や薬液消毒、ガンマ線処理などにも対応している。
もう1つの特徴は独自のスライドロック機構の採用である。医療機器用の丸形コネクタは、ケーブルが引っ張られてもコネクタが抜けないよう、ねじ込み式のロック機構を設けていることが多い。「しかし、手術室では医療機器のケーブルをつなぎ変えることが多く、ねじ込み式のロック機構ではつなぎ変えの作業に時間がかかってしまう。MPCコネクターシステムは、独自のスライドロック機構を採用しており、手袋をした状態でもワンタッチで抜き差しできる」(同社)。
端子数が最大8極の「D1」、同17極の「D2」、同35極の「D3」、同59極の「D4」の4品種を用意している。2015年春にまずD2を発売した後、その他の品種を順次投入する計画。D2の仕様は、挿抜回数が1万回で、使用温度範囲は−50〜170℃。嵌合時の異物侵入保護能力はIP64適合(IP67規格適合試験も予定)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 高機能化するドアミラー、コネクタの端子数も13極に
日本モレックスは、「人とくるまのテクノロジー展2014 名古屋」において、ドアミラー向けに開発中の端子数が13極のコネクタを参考展示した。2016年ごろの商品化を目指している。 - 日本モレックス、低背・省スペースな「microSD/micro-SIMカード用コンボコネクタ」を発表
高さ2.28mmと低背で、2種の異なるカードに1つのコネクタで対応しており、省スペース化が可能。microSDとmicro-SIMカードを重ねて同方向に挿入できるため、取り扱いが容易で、効率的なPCBレイアウトができるという。 - 日本モレックス、薄型LED照明モジュール向けSMT電線対基板コネクタ発売
高さ4.20mmと低背で、電線の挿入・抜去が簡単にできる。同社のWire Trapコネクタと同じ終端方式が採用されており、安全な電気接触と高い電線保持力を持つ。1回路タイプと2回路タイプの2種類がある。 - 日本モレックスが車載2mmピッチコネクタを拡充、LEDランプの需要拡大に対応
日本モレックスの2.00mmピッチの車載用電線対基板コネクタ「DuraClick」は、ヘッドランプやリヤランプのLED化により需要が拡大している。このため、ヘッダの新たな品種として垂直接続タイプの「560020」を追加した。