DMM.comがロボット事業で「2015年売り上げ30億円」を掲げる理由:ロボットキャリア(2/2 ページ)
「ロボットキャリア」を掲げ、DMM.comがロボット関連事業に乗り出す。2015年に30億円、2017年に100億円の売り上げを目指すビジネスモデルとは?
コミュニケーションおよびホビー領域のロボットにどれだけの市場があるのは意見の分かれるところだが、「週刊ロビ」の公開イベントにてデアゴスティーニ・ジャパンのマーケティング担当者が全70回(約15万円)でパーツを集めてまでロボットを組み立てたユーザーが約6万人いると述べていたので、同社が「商品の魅力を上手に訴求できれば、それなりの市場形成が可能ではないか」と判断したと推測できる。
販売開始に伴うプロモーション活動について詳細は明らかにされなかったが、「Web広告はもちろん、タイミングを見計らってのテレビCMも予定している」(ロボット事業部 岡本事業部長)としており、“DMMブランド”サービス開始時に見られたCMの集中投下がありそうである。
Robiの開発者であるロボットクリエイターの高橋智隆さんは、「これまでのロボット開発の問題点は、研究者/クリエーターの興味の範囲内で作ってこなかったこと」とビジネス化という視点が欠落していたと指摘。「ビジネス化を見据え、日本の知恵と技術を集結したこの取り組みであれば、日本のロボット産業は再び加速するのではないか」とDMM.comの取り組みに期待する。
また、高橋氏は「個人的な予想」と前置きしながらも「“キラーハードウェア”として認識されるロボットは1つだと思う。そのためには切磋琢磨する土壌が必要。ロボットを1人1台持つ時代が10年以内に来ると思っているので、そのために努力していきたい」と“新ロボット産業”の活性化と競争を期待した。
松栄社長(前列左から3番目)、高橋氏(前列左から4番目)はじめ各ロボット開発者とトークセッション登壇者 トークセッションに参加した堀江貴文氏は「(ロボットの普及には)明確な使い道、ユーザーメリットの提示が必要になると思う。個人的にはテレエグジスタンス(Telexistence:遠隔臨場感)に注目している」とコメントした
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- DMM.make ROBOTS:「2017年に売り上げ100億円へ」、DMM.comがロボット事業へ参入
DMM.comがロボット販売事業を開始する。富士ソフトやユカイ工学などのロボットについてプロモーションや販売を請け負い、将来的には各社と協業してのオリジナル製品も手掛ける。秋葉原「DMM.make AKIBA」との連携も進める。 - ロボット革命実現会議:2020年に「ロボットオリンピック」開催、「ロボット革命実現会議」議論まとめる
経産省は開催していた有識者会議「ロボット革命実現会議」の議論結果を公開した。戦略実行の組織設立やロボット開発拠点の設置、ロボットオリンピックの開催など、意欲的な提言内容となっている。 - 再燃するロボットブーム、鍵となるのは“人とのコミュニケーション”
デアゴスティーニ・ジャパンが2015年1月20日より第3版を発売するパーツ付き組み立てマガジン「週刊Robi(ロビ)」の公開イベントを開催。100台のロビたちによるダンスや、ロビのデザインを担当したロボ・ガレージ 代表取締役社長の高橋智隆氏などによるトークセッションが行われた。 - DMM.make AKIBAが正式オープン:DMM.make AKIBAに集まる期待、「誰がどれだけすごいモノを作るのか」
2014年11月11日にモノづくりに取り組むスタートアップ企業のための支援施設「DMM.make AKIBA」がオープン。その当日には施設内で記念イベントが開かれ、DMM.make AKIBAの関係者によるトークセッションなどが開催された。 - 機材総額は5億円、 DMMが試作から量産まで可能なベンチャー支援施設を開設
DMM.comは富士ソフト秋葉原ビル内に、モノづくりに取り組むベンチャー企業の支援を目的とした施設「DMM.make AKIBA」を開設すると発表。製品の試作や開発、各種耐久試験に必要な総額約5億円の機材を備えており、シェアオフィスの運営やコンサルティングも行っていくという。