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試作のプロも納得、国内初導入となった大型3Dプリンタ「Objet1000」:3Dプリンタニュース(2/2 ページ)
試作造形ビジネスを展開するエムトピアは、国内で初めて最大1mの造形が可能な大型3Dプリンタ「Objet1000」(Stratasys製)を導入。このたびプレスツアーを開催し、導入の経緯などを説明した。
小規模の生産も十分可能
Objet1000により、これまで原寸大での出力を諦めざるを得なかった大型3Dモデルの造形が可能となる。既に、3Dプリンタを活用している企業からも、同社へ見学の申し入れがあるそうだ。
今回のプレスツアーでは、スケールアップした「モンキーレンチ」を出力して見せた。小さなものをスケールアップして出力することで、細部の動作などを確認できるだけでなく、イベント用展示物としても活用できる。スケールアップしたモンキーレンチの出力は、午前9時25分に出力を開始し、翌朝の午前7時20分に出力完了予定だった。ちなみにこのモデルは、厚みが46.5mmあり、2906層のスライスデータとして出力されていた。
また、大きなモデルを原寸で出力できるだけでなく、造形トレイのサイズを生かして複数の小さなモデルを一度に出力することも可能だ。
金型による試作開発工程と異なり、3Dモデルデータからそのまま同時に多数個を出力できるため、迅速な小規模生産も行えてしまう。データサイズなどによっては出力に時間の掛かるケースもあるが、Objet1000は長時間の連続稼働にも対応しているので安心して利用できる。
なお、サポート材の除去は、大型の造形物に対応するウォータージェット装置(水を噴射しサポート材を除去する装置)で行う。
画像9(左) 材料タンクは横から入れる。素材の異なるタンクをセットすれば、指示に応じた素材で出力を切り替えられる/画像10(右) 専用トレイに取り出して、ウォータージェット装置でサポート除去を行う ※画像クリックで拡大表示
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