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HLAタンパク質の安定性が1型糖尿病などの自己免疫疾患に関係医療技術ニュース

東京大学大学院医学系研究科の研究グループは、1型糖尿病のかかりやすさに関連するヒト白血球抗原(HLA)遺伝子型が、安定性が顕著に低いHLAタンパク質を作ることを見出した。

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 東京大学は2014年12月19日、同大大学院医学系研究科の宮寺浩子助教(研究当時)、徳永勝士教授らの研究グループが、1型糖尿病のかかりやすさに関連するヒト白血球抗原(HLA)遺伝子型が、安定性が顕著に低いHLAタンパク質を作ることを見出したと発表した。

 1型糖尿病などの自己免疫疾患は、免疫システムが自己の組織を病原体などの異物として認識し、免疫応答することで引き起こされる。そのため自己免疫疾患には、HLA遺伝子の多型(遺伝子の配列が個人間で異なる部分)が関連するとされるが、その仕組みは十分に解明されていなかった。

 同研究グループでは、ヒト集団中の主要なHLA遺伝子型(HLA-DQ座位)約100種類について、HLAタンパク質の安定性を測定。HLA遺伝子型が、安定性が顕著に低いHLAタンパク質を作ること、また逆に、1型糖尿病のかかりにくさに関連するHLA遺伝子型が非常に安定なHLAタンパク質を作ることを見出した。

 従来、HLA遺伝子多型と自己免疫疾患との関連は、HLAタンパク質のペプチド結合性で説明されてきたが、発症機序は不明な点が多かった。今回の研究では、HLAのタンパク質安定性という、これまで着目されていない特性も自己免疫疾患の発症率に大きく影響する可能性が示された。これにより、自己免疫疾患を発症する過程で、従来の定説とは根本的に異なる発症機序が働いている可能性が示唆されたという。

 同研究グループでは、この成果を糸口に、自己免疫疾患発症の根底にあるメカニズムの解明に取り組むとしている。

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