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RPGをクリアするまでのプロセスと生産管理RPGで理解する生産管理(1)(3/4 ページ)

“モノを生産する”製造業にとって、生産を上手に管理し運営していく「生産管理」の手法は、非常に重要です。しかしさまざまな要素や考え方が含まれる「生産管理」は、慣れない人々にとっては理解するのが難しいものでもあります。そこで本連載では、RPG(ロールプレイングゲーム)になぞらえて生産管理を分かりやすく解説していきます。

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「ムダ、ムリ、ムラ」のポイント

 ムダとは「付加価値を高めるために役に立たない動作、モノ、情報」の全てを示します。生産管理で考える場合、そのムダを徹底的に排除することができるかがポイントとなります。以下に、中心的な3つのムダとムリ、ムラについて紹介します。

過大な生産要素のムダ

 労働者が過大であれば労務費が余分に掛かります。また生産設備が過大であれば償却費用や保守費用が余分に掛かります。これらの“余分に”ということについて、コストが掛かるわけです。

 RPGの場合は、仲間を連れて歩くのにはコストは掛からないものが多いです。ただ、もし仲間を加えるのにコストが掛かるようであれば、慎重に仲間の数も厳選するのではないでしょうか。

作り過ぎのムダ

 製造装置や人員など生産能力を遊ばせておくのは「もったいない」と、必要もないのにムリに稼働させ生産することは、余計なコストを生産しているのと同じ意味になります。必要のない材料を手配することになり、必要のない稼働費を生み出し、必要のない在庫管理費を生み出します。また、通常の運営を借り入れなどの資金調達で行う場合は、必要のない借入金を発生させ、さらに必要のない金利負担を増やすことになります。目先の「もったいない」が全体を通じて、さらに「もったいない」ことになり、最終的には「首が回らなくなる」という事態まで招きかねません。

 RPGで例えると「錬金(アイテムなどを合成して新たなアイテムを生み出すこと)」で必要もないのに、たくさんの加工品を作っているようなことになるでしょう。最終的に装備できる仲間がおらず、必要もないのに錬金作業で時間を使い、獲得したアイテムを使い、さらに中間加工品が“袋”のようなアイテムの保存先を占有し、他のアイテムが保有できなくなるというようなことを招きます。全く意味のない作業で、多くの時間やコストを使うことになるというわけです。

過剰在庫のムダ

 在庫が過剰になれば、保管料や借入金利が余分に掛かります。売れ残って廃棄処分にしたとすると生産原価分全てが無駄になってしまいます。つまり売れない製品を作り在庫とすることが大きな無駄になるわけです。生産管理の考えでは「在庫は悪だ」ということが口酸っぱく言われています。

 RPGで例えるとすると、使いもしない薬草などをたくさん買い込み、自分で持ち切れずに“預かり料”などを払って、“預かり所”に預けているというような状況となります。永久に使わないようなものは保有するだけ関連する多くのムダを生み出しますので、そもそも買わないということが正解となるでしょう。

ムリとは?

 ムリとは通常の努力では、到底到達できないようなことを「あえてやろう」とすることを示します。生産現場で納期間近に慌てて残業や休日出勤で、作業を間に合わせようとすることは「ムリの典型」といわれます。

 RPGでは、まだレベルが十分に達しておらず洞窟をクリアすることが不可能であることが分かり切っているのに、無理に洞窟に侵入するようなものだといえます。結局負けて手持ち資金が減らされるとともに、多くの時間の無駄を生み出します。RPGならリセットが可能ですが、実際の生産現場ではリセット機能は使えないので注意が必要です。

ムラとは?

 ムラは一定水準を維持できず、最終的なパフォーマンスにばらつきがあることを示しています。「前もって上手に計画する」や「先を読んで手を打っておく」などのことができておらず、一定期間に一定水準のパフォーマンスが発揮できない状況です。工程内の負荷や不必要な外注依頼などのバラつきが、ムラの典型といわれます。このムラが作業量の予測を阻み、最終的なムダを多く生み出すことにつながります。

 RPGでは仲間のレベルのムラによる非効率性という点に例えられるかもしれません。

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