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自動車の次世代技術展示会で“車載デバイス銀座”を歩くオートモーティブワールド2015リポート(3/4 ページ)

自動車の次世代技術の専門展示会である「オートモーティブワールド2015」には、多くの半導体・電子部品メーカーが出展している。本稿では、“車載デバイス銀座”と言っていいほどにぎわいを見せた「国際カーエレクトロニクス技術展」の展示を中心にリポートする。

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車載セキュリティでは「TPM」も必須に

 STマイクロエレクトロニクスとインフィニオン テクノロジーズ ジャパンは、通信機能を持った自動車の市場拡大に向けて必要とされる車載セキュリティ確保のためのデバイスを展示した。

 車載セキュリティ関連では、車載ネットワーク内の通信を暗号化するためのコア「SHE」や「HSM」などを車載マイコンに内蔵するという手法が知られている。一方、自動車が外部との通信を安全に行うという意味では、接続認証用の暗号キーを安全に格納するセキュリティ専用のチップを用いる手法がある。例えばPCの場合、TPM(Trusted Platform Module)という規格に準拠するセキュリティチップが採用されている。

 TPMは、産業機器向けの規格も策定が完了しており、2015年内には車載システム向けの規格も発行される見通し。両社が展示していたのは、TPMを用いたセキュリティソリューションだ。

STマイクロのTPMを用いたセキュリティソリューションインフィニオンのTPMを用いたセキュリティソリューション TPMを用いたセキュリティソリューション。左側の写真がSTマイクロで、右側の写真がインフィニオンの展示である(クリックで拡大)

ヘッドアップディスプレイに表示する画像の見え方を補正するツール

 スパンションは、2014年10月に発表したデジタルクラスタ向けマイコン「S6J3200シリーズ」とセットで提供するソフトウェア開発ツールを展示した。

 S6J3200シリーズは、デジタルクラスタの中の液晶ディスプレイだけでなく、ヘッドアップディスプレイに表示する画像の制御も可能なことを特徴としている。展示した「Warping Calibrator Tool」は、ヘッドアップディスプレイのような曲面ディスプレイに投影する画像を補正するためのものだ。同ツールを用いた最適化をあらかじめ行っておけば、最適化を行わずに逐次補正する場合と比べてROM容量を8分の1に削減できる。

「Warping Calibrator Tool」で補正する前(左)は白黒の市松模様が歪んでいるが、補正後は市松模様の歪みがなくなっている(クリックで拡大)

フォード「SYNC2」採用のミツミ電機の無線コンボジュール

 ミツミ電機は、車載用Wi-Fi+Bluetoothコンボモジュールを用いた、Miracastによるスマートフォンと車載機の映像同期デモンストレーションを披露した。

ミツミ電機の車載用Wi-Fi+Bluetoothコンボモジュールを用いたMiracastのデモ
ミツミ電機の車載用Wi-Fi+Bluetoothコンボモジュールを用いたMiracastのデモ(クリックで拡大)

 同社の車載用Wi-Fi+Bluetoothコンボモジュールの外形寸法は13.8×12.3×2.5mm。従来比で設置面積を46%削減した小型のLGAパッケージが特徴だ。Ford Motor(フォード)の車載情報機器プラットフォーム「SYNC2」に採用されたこともあって、順調に出荷数を伸ばしているという。

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