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ミニバンからスポーツカーまで、新たな価値を生み出すクルマ作りの本質:オートモーティブワールド2015 基調講演リポート(3/4 ページ)
「オートモーティブワールド2015」の基調講演に本田技術研究所 取締役 専務執行役員の山口次郎氏が登壇。同氏は「未来のモビリティ社会と“Waku Waku”する新価値創造」をテーマにホンダの製品開発エピソードや、今後の技術開発の展望について語った。
初代「NSX」の開発秘話も
山口氏は3つ目のキーワードとして「負けず嫌い」を挙げた。それにまつわるエピソードとして、1990年に発売されたスポーツカー「NSX」の開発について説明した。初代NSXは「1990年代当時、日本でも欧州メーカーに負けないスポーツカーを作りたいと考え開発した」(山口氏)という。
初代NSXは、ホンダのセダン『レジェンド』に使用していた、V型6気筒のエンジンを横置きのミッドシップレイアウトで搭載している。「初代NSX開発の際にライバルと考えていたのは、排気量3.0l(リットル)のエンジンを“縦置き”にしたミッドシップだった。エンジンでパワーを補えない部分は、ボディを全てアルミで設計して軽量化するなど、車両全体で性能を補う開発を行った」(山口氏)。
ホンダは「北米国際自動車ショー2015」(一般公開日:2015年1月17〜25日、米国ミシガン州デトロイト)で、高級車ブランドAcura(アキュラ)の新型車として開発を進めているハイブリッドタイプのスポーツカー「NSX」を初公開した(関連記事:新型「NSX」がついに登場、価格は15万米ドルから)。また、2015年からF1レースに再参戦する件などを含めて、山口氏はホンダが“スポーツカーの復活”に注力している点もアピールした。
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