米国に新たな中核拠点を建設――4つの工場、物流、マーケティング機能を集約:工場ニュース
ダイキン工業の子会社Goodmanは北米における空調事業の中長期的な事業拡大を目指し、米国ヒューストン郊外に新拠点を設立することを発表した。
ダイキン工業は2014年1月7日、子会社の米Goodmanを通じ米国ヒューストン郊外に新拠点を設立することを発表した。空調事業の中長期的な成長を目指した生産能力の拡大が狙い。
新拠点は、現在Goodmanが米国内に持つ4工場、物流拠点を統合して建設する。また、マーケティング、サポート機能なども新拠点に集約するという。近日中に着工し、2016年中頃の稼働開始を計画する。総投資額は約4.1億米ドルとし、建屋面積は約35万m2になるという。生産予定品目は、住宅用ユニタリ、VRV(ビル用マルチエアコン)、ガスファーネス、エアハンドリングユニット、PTAC(壁埋め込み型) 、ルーフトップ、ミニスプリット(日本式ルームエアコン)など。
ダイキン工業は2012年のGoodman買収以降、双方の強みを生かしながら北米地域における事業を拡大を目指してきた。新拠点においては、Goodman社の生産設備の拡充とともに、世界各地で展開するダイキンの先進的な生産技術の導入や、生産効率の大幅な向上を目指す。また、米国内に分散する4工場と物流拠点を統合し生産と物流を一体化することで搬送ゼロ化、部材の共通化による在庫低減、完成品配送の効率化によるリードタイムの大幅短縮などのメリットを生み出すとしている。
北米の空調市場は、エネルギー規制の強化に対応して、住宅用ユニタリ空調機の高効率化が求められ、プレミアムゾーン向けの商品の販売増が期待されている。また、ダクトレス市場は年率20%以上のペースで成長するなど、ダイキン工業が得意とする分野の市場が大きく拡大する見込み。新拠点の設立により生産能力を増強し、これらの広がる市場に対応していく方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 実は穴場!? 製造業が米国に工場を設置すべき8つの理由とは
長年生産管理を追求してきた筆者が、海外展開における「工場立地」の基準について解説する本連載。3回目となる今回は、製造業回帰の動きが目立つ米国の現状と可能性について解説する。 - グッドファクトリー賞にダイキン、東レ、NECなど――アジア工場の生産性向上
日本能率協会は、生産性や品質の向上などを実現した工場を表彰する「GOOD FACTORY賞」を実施。第4回の受賞企業として、ダイキン、東レ、NEC、日立金属、ミスミの5社を表彰した。 - 製造業の米国回帰を後押しする“4つの波”とは?
日本からは中国やASEANなど低コスト国への工場の流出が続いているが、同じ高コストの先進国である米国では工場を米国内に戻す動きが増えているという。早くに製造業の空洞化が指摘された米国で何が起きているのか。JETRO海外調査部北米課に聞いた。 - テーマサイト「グローバル最適地生産」