ニュース
自動運転車内におけるイーサネットのデータ伝送をプログラマブルSoCで実現:車載半導体
Altera(アルテラ)は、同社のプログラマブルSoC「Cyclone SoC FPGA」が、Audi(アウディ)が開発中の量産車向け先進運転支援システム(ADAS)に採用されたと発表した。
Altera(アルテラ)は2015年1月5日(米国時間)、同社のプログラマブルSoC「Cyclone SoC FPGA」が、Audi(アウディ)が開発中の量産車向け先進運転支援システム(ADAS)に採用されたと発表した。
アウディは、ADASに用いる運転支援用中央制御ユニット「zFAS」を、オーストリアのTTTechと共同で開発している。このzFASで自動運転や自動駐車の機能を実現するために、いわゆるASSP(特定用途向けIC)ではなく、ARMのアプリケーションプロセッサコア「Cortex-A9」2個とFPGAと同じ再構成可能な回路を備えるCyclone SoC FPGAを採用したという。
アウディのADASはNVIDIA+アルテラ
ADASの制御に用いる各種センサーからのデータを集積するzFASは、それらのデータを車両内で高速に伝送するための通信機能が必要になる。そのために採用されたのが、TTTechのリアルタイム処理に対応するイーサネット技術「デタミニスティック・イーサネットIPソリューション」である。Cyclone SoC FPGAのFPGA回路部には同ソリューションが実装されている。zFASには、各種車載ソフトウェアの処理や量産車向けのADASに必須とされる機能安全を実現するセーフティプラットフォームも組み込まれており、これらについてもCyclone SoC FPGAは重要な役割を果たしている。
関連記事
- 「学習する自動運転車」は処理能力1TFLOPS以上のプロセッサを2個使用
NVIDIAは、自動車用コンピュータのプラットフォーム「NVIDIA DRIVE」を発表した。自動運転車向けの「NVIDIA DRIVE PX」と、最新の自動車コックピットを実現するのに用いる「NVIDIA DRIVE CX」の2種類があり、どちらも1TFLOPS以上の処理能力を持つ最新のプロセッサ「Tegra X1」を採用している。 - 日本市場については「満足」、米アルテラ幹部が語るSoC FPGA事業の近況
「Cyclone V SoC」で2012年よりSoC FPAGの供給を開始したアルテラ。わずか2年足らずではあるが、日本国内においても多くの企業に利用されている。14nmプロセス「Stratix 10」のテープアウトを控えるが、サポートや周辺環境の整備にも注力する考えだ。 - アウディが渋滞時の自動運転に挑む、フロリダで公道実験
Audi(アウディ)は、渋滞時にドライバーの運転負荷を低減するための自動運転技術を開発するための公道実験を米国フロリダ州で開始した。 - NVIDIAが「Tegra」の車載展開を加速、自動運転や「iOS in the Car」もカバー
NVIDIAは、モバイル機器向けのプロセッサ製品「Tegra」の車載展開を加速させている。アウディなどの車載情報機器に採用される一方で、自動運転技術や、「iPhone」と連携する車載ディスプレイモジュール「iOS in the Car」の開発にも利用されるという。 - アルテラが車載分野への本格展開を宣言、年率20%以上の売上高成長を見込む
FPGAベンダー大手のアルテラが、日本市場での車載展開を本格化させる。日本アルテラ社長の日隈寛和氏は、「車載分野専任の営業、技術サポート、マーケティングなどの人員がそろい、販売代理店としっかり連携できる体制がついに整った。これからは車載分野で積極的に展開を進めていく」と宣言した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.