「学習する自動運転車」は処理能力1TFLOPS以上のプロセッサを2個使用:車載半導体
NVIDIAは、自動車用コンピュータのプラットフォーム「NVIDIA DRIVE」を発表した。自動運転車向けの「NVIDIA DRIVE PX」と、最新の自動車コックピットを実現するのに用いる「NVIDIA DRIVE CX」の2種類があり、どちらも1TFLOPS以上の処理能力を持つ最新のプロセッサ「Tegra X1」を採用している。
NVIDIAは2015年1月4日(米国時間)、自動車用コンピュータのプラットフォーム「NVIDIA DRIVE」を発表した。自動運転車向けの「NVIDIA DRIVE PX」と、最新の自動車コックピットを実現するのに用いる「NVIDIA DRIVE CX」の2種類を用意しており、2015年4〜6月期に出荷を始める予定。
NVIDIA DRIVE PXは、同日に発表した最新のプロセッサ製品「Tegra X1」を2個搭載している。Tegra X1は、ARMのアプリケーションプロセッサコア「Cortex-57」と「Cortex-53」を4個ずつと、NVIDIAの「Maxwell」アーキテクチャに基づくGPUコア256個を搭載する。演算処理能力は1TFLOPSを超えるという。
2個のTegra X1を用いるNVIDIA DRIVE PXでは、12台の高解像カメラを接続して、1.3Gピクセル/秒もの処理を行える。また、これらの高解像カメラをはじめ各種センサーから得た情報を用いるコンピュータビジョン機能を使えば、ドライバーが操作することなく自動車自身がスペースを見つけて駐車を行う全自動駐車機能を実現可能だとしている。
さらにNVIDIA DRIVE PXは深層学習機能も備えている。この機能により、救急車と配送トラックの違いや、駐車中の車両と発進しようとしている車両を見分けるなど、さまざまな車両の見分け方を学ばせられる。これにより、人間のドライバーと同じように車両周辺の状況の微妙な違いに対応する自動運転車を実現できるという。
最新の自動車コックピットを早期実現する「NVIDIA DRIVE CX」
NVIDIA DRIVE PXが自動運転車を研究開発するためのプラットフォームであるのに対し、NVIDIA DRIVE CXは最新の自動車コックピットを早期に量産レベルで実現するためのハードウェアとソフトウェアのパッケージになっている。
具体的には、カーナビゲーションなどの機能を持つ車載情報機器、ディスプレイメーターなどを活用するデジタルクラスタ、ドライバーの状態監視システムなどに用いるグラフィックス処理機能やコンピュータビジョンを実現できる。例えば、車両の周囲を上から見た画像で表示するサラウンドビューや、車載カメラでサイドミラーやバックミラーを実現するデジタルスマートミラーなどである。
プロセッサは先述のTegra X1、もしくは1世代前の「Tegra K1」を使用する。併せてパッケージされるソフトウェアは路上試験を完了している。画素数が最大で1680万ピクセルのディスプレイに表示されるグラフィックスを複数処理できる。この1680万ピクセルという画素数は、現在市販されている自動車に用いられているディスプレイの10倍以上に当たるという。
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