インダストリー4.0の実現に必要な技術的要素は何か:インダストリー4.0概論(中編)(5/5 ページ)
「新価値創造展2014」ではインダストリー4.0をテーマとしたビジョンセミナーを開催。各界3人の有識者が登壇し、「インダストリー4.0とは何か」や「どういう価値をもたらし、どういう課題があるのか」を解説した。中編では、ドイツのフラウンホーファーIPA(生産技術・オートメーション研究所)のヨアヒム・ザイデルマン(Joachim Seidelmann)氏の講演「科学技術の観点から見たインダストリー4.0」の内容をお伝えする。
2020年までにビジネスモデルを確立
SACではインダストリー4.0に関連する、R&Dロードマップを公開している。2020年頃までにビジネスモデルやバリューチェーン、現実世界と仮想世界を統合する仕組みやシステムエンジニアリングなどについては確立するとしているものの、他の研究テーマについては2035年頃まで継続的に続く見込みを示す。「長く幅広い範囲にわたって研究を進めていかなければならない」とザイデルマン氏は語る。
フラウンホーファーIPAでも、これらのR&Dのロードマップに沿ってさまざまな技術開発を行っている。例えば生産データと各種情報をリンクさせメンテナンスなどに活用可能とする「eApps4Production」や、スマートコンポーネントの開発に貢献するロボット用のオープンソースOS「ReApp」などの開発を進めているという。
インダストリー4.0はまだはじまったばかり
フラウンホーファーIPAでは、インダストリー4.0による生産システムがリリースされるまでの段階を7つのステージに分けて示しており、これらのロードマップを経て実現されるものだと訴えている。それによると大部分の企業では、まだ第1ステージか第2ステージにある状況で、実際にカタチになって出てくるのはまだ先といえそうだ。ザイデルマン氏は「道のりは長いが、インダストリー4.0は荒唐無稽の話ではなく、実際に動き始めているものだ。実現でき得るものだと考えている」と述べている。
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後編では、SIヤーのピアーグループ(ドレスデン)社長であるマイケル・アーノルド(Michael Arnold)氏による講演「ITソリューション企業から見た第4次産業革命」について紹介する(後編に続く)。
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特別セッション『IoTとインダストリー4.0の世界』
OPC協議会グローバル OPC バイスプレジデント(OPC協議会ヨーロッパ代表)ステファン・ホッペ(Stefan Hoppe)氏
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第4次産業革命は日本の製造業に何をもたらすのか――「インダストリー4.0が指し示す次世代工場の姿」コーナーへ
インダストリー4.0がもたらす製造業の変化
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