クルマとJavaの深イイ関係、オラクルがアピール:車載ソフトウェア
日本オラクルは、「フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン(FTF Japan)2014」において、自動車におけるJavaの活用事例を示すコンセプトカーを展示した。
日本オラクルは、東京都内で開催されたフリースケール・セミコンダクタ・ジャパンのプライベートイベント「フリースケール・テクノロジ・フォーラム・ジャパン(FTF Japan)2014」(2014年12月4日)において、自動車におけるJavaの活用事例を示すコンセプトカーを展示した。
このコンセプトカーには、組み込みJava「Oracle Java Embedded」やビッグデータのアナリティクス基盤が用いられており、日本オラクルは「IoT(Internet of Things:モノのインターネット)時代のコンセプトカー」だとしている。
車両内にはフリースケールのSoC(System on Chip)「i.MX 6シリーズ」を用いた3つのハードウェアに、組み込みLinux「Yocto Linux」と、それぞれ異なる組み込みJavaが実装されている。1つ目のハードウェアは、車両の速度やエンジン回転数、アクセル開度などの制御系システムからの情報を収集するセンサーノードで、「Java ME 8」が実装されている。なお、センサーノードへの情報送信には、イータスの適合ツール「INCA」が利用されている。
2つ目は、Java ME 8を搭載したセンサーノードからの情報を集積するゲートウェイだ。「Oracle Event Processing for Embedded」を使って、車両からの情報をリアルタイムで分析するとともに、車両情報を蓄積している外部のサーバに送信する情報の選別などを行う。3つ目のハードウェアは、ゲートウェイで分析した情報を車載情報機器に適切に表示するためのもので「JavaFX Embedded」が採用されている。
ゲートウェイのハードウェアから送信される車両情報を受け取るサーバを模したノートPCは、エンタープライズ向けのLinux「Oracle Linux」や「Oracle WebLogic Server」、「Oracle Coherence」、「Oracle Event Processing」などJavaアプリケーションが利用可能な構成になっている。
各国で走行している車両からの情報をビッグデータとして集積するサーバからは、さまざまな分析結果を表示できる。この画面では、現在どの国/地域の何台の車両から情報が送信されているかが示されている(クリックで拡大)
日本オラクルの説明員は、「センサーノードのJava ME 8は『Java SE』の完全なサブセットになっており、サーバ側でJava ME 8のアプリケーションをそのまま再利用することができる。またJava ME 8は実行時コンパイラによる高速動作が可能。今回は高機能なi.MX 6シリーズを使用したが、マイコンでも十分動作させられる」と語る。また、「自動車メーカーや車載情報機器メーカーのからも一定の評価をいただけている」(同説明員)という。
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