シンフォニア、半導体クリーン搬送技術を応用し、再生医療分野へ本格参入:医療機器ニュース
東京エレクトロンがリードする共同研究プロジェクト「スマート・セル・プロセシング」に参画。半導体製造分野で培ったクリーン搬送技術を応用することで、滅菌機能を備えた細胞搬送装置を開発し、事業化を目指す。
シンフォニアテクノロジーは2014年11月21日、東京エレクトロンがリードする共同研究プロジェクト「スマート・セル・プロセシング」に参画すると発表した。これにより、再生医療分野へ本格的に事業参入する。
同プロジェクトは、東京エレクトロンが産官学パートナーと協力し、半導体製造で培った技術を応用して、臨床レベルの品質を持つ幹細胞の自動培養・検査プロセスの確立を目指すもの。同社はこのプロジェクトに参画し、半導体製造分野で長年培ってきたクリーン搬送技術を応用することで、滅菌機能を備えた細胞搬送装置を開発し、事業化を目指すという。
同社が応用するのは、世界トップシェアを堅持するというクリーン搬送技術「ロードポート」と「EFEM」だ。ロードポートは、半導体製造装置の出入口をクリーン度の高い装置側とクリーン度が低い外側にすることで、クリーンルーム建設・運転経費を抑制するもの。またEFEMは、ウエハーの移載空間を清浄に保つ技術となる。
これらを無菌接続搬送技術へと応用することで、細胞が入った培養容器を自動で培養・検査工程にハンドリングする装置の開発や、装置内を無菌状態に保つための滅菌機能での技術提供を担うという。
現在、再生医療では、皮膚・骨・軟骨などの再生が実用レベルに達し、欧米を中心にすでに50品目以上が製品化され、約200品目が治験中となっている。再生医療周辺産業は、2020年に世界で1.0兆円、2030年には5.2兆円となることが予測されている。同社では、同プロジェクトへの参画により、再生医療分野への事業参入を実現するとともに、医療分野での新たな事業展開を進め、今後医療分野を事業の柱として育成していく。
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