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タカタ製エアバッグ問題でインフレータが不足、競合のオートリブがホンダに供給:安全システム
エアバッグ大手のAutoliv(オートリブ)は、米国などでタカタ製エアバッグによるリコール問題への対応を進めているホンダに、交換用のインフレータを供給する契約を締結したと発表した。
エアバッグ大手のAutoliv(オートリブ)は2014年12月3日(欧州時間)、米国などでタカタ製エアバッグによるリコール問題への対応を進めているホンダに、交換用のインフレータを供給する契約を締結したと発表した。
自動車の乗員を衝突時の被害から守るエアバッグは、エアバッグ本体を瞬時に膨らませるために窒素ガスを発生させる必要がある。インフレータは、大きな衝突を受けた際に火薬に着火し窒素ガスを発生させるエアバッグ用の部品だ。
タカタ製エアバッグによるリコール問題は、このインフレータの不具合によるものだ。窒素ガスを発生させるガス発生剤の製造時に、加圧力が不足したり、過度な吸湿があったりしたことがあったという。問題のあるインフレータを組み込んだエアバッグは、衝突時にエアバッグを展開する際に、金属製のインフレータ容器を破壊するレベルで内部の圧力が急上昇し、飛び散った容器の破片などで乗員が負傷する恐れがある。
ホンダは米国全土でタカタ製エアバッグを搭載する車両のリコールを行う方針を表明している。600万台ともいわれるリコール対象の車両のインフレータを交換するには、タカタ以外の企業から短期間かつ大規模に調達する必要が出てくる。
今回、ホンダがオートリブと契約を締結したのはこのためだ。オートリブはインフレータの工場の生産能力を一時的に増やし、6カ月以内に供給を開始するという。
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