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ロボット規格の標準化で中韓が主導権、「日本もリーダーシップ発揮すべき」ET2014 講演リポート(1/2 ページ)

「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展」のカンファレンスに、アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド 代表取締役社長の中村憲一氏が登壇。同氏は2014年2月に発行されたサービスロボット向けの国際安全規格であるISO 13482やロボット規格の標準化に関して中国と韓国が参加するなど国際競争が激化していることを紹介した。

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 2014年11月19〜21日に開催された「Embedded Technology 2014/組込み総合技術展(ET2014)」(パシフィコ横浜)初日のカンファレンスにおいて、アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド 代表取締役社長の中村憲一氏が「ロボット技術における国際標準化の動向」をテーマに講演を行った。中村氏は2014年2月に発行されたサービスロボット向けの国際安全規格であるISO 13482や、ロボット規格の標準化に関して中国と韓国が参加するなど国際競争が激化していることを紹介した。

ISO 13482が発行された背景とは

 人の生活の中で利用されるサービスロボットの開発が世界的に加速している。それに伴い、工場の中などで利用される産業用ロボットとは異なり、人と接触するサービスロボットには独自の安全基準の策定が必要となる。2014年2月には、サービスロボットの1つであり、人の移動などをサポートする生活支援ロボットの国際安全規格、ISO 13482が発行された(関連記事:生活支援ロボットの国際規格「ISO13482」正式発行に、NEDOのプロジェクトが貢献)。


アップウィンドテクノロジー・インコーポレイテッド 代表取締役社長の中村憲一氏

 中村氏は講演で、ISO 13482が発行された意義について説明した。ISO規格による機械類の安全規格は、全ての機械類に適用する基本概念や設計原則などを規定した「基本安全規格(A規格)」、広範囲の機械類に適用する安全面や安全防護物などを規定した「分類安全規格(B規格)」、個々の機械に対する安全要求事項を規定した「機械安全規格(C規格)」の3つの階層で構成されている。ISO 13482や産業用ロボットの国際安全規格であるISO 10218はC規格に含まれる。


「機械類の国際安全性」に関する国際規格(クリックで拡大)出典:日本機械工業連合会

 機械類の開発に際して、該当するC規格が存在しない場合、上位のA/B規格を参照する必要がある。サービスロボットに関しては、2014年2月にISO 13482が発行されるまで該当するC規格が存在しなかった。また、“ロボット”というくくりでは同じだが、工場などで使用される産業用ロボットに向けた規格であるISO 10218を、身体に装着したり家庭の中で利用されるサービスロボットの開発にそのまま適用することは難しかった。

 中村氏は「こうした背景により、これまでサービスロボットの開発においてISO規格を取得するためには、A/B規格や、ISO 10218などの複数規格の認証を行う必要があった。ISO 13482はこれらの規格をサービスロボットに適用する場合の要点をまとめたもの。これまで個別に認証を受けなくてはならなかった規格をまとめて取得することができる」と説明する。

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