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電動自転車「PAS」がバッテリー1個分軽くなる、次世代駆動ユニットで進化:約20年の歴史も振り返る(3/5 ページ)
ヤマハ発動機は、電動アシスト自転車向けの次世代ドライブユニットを開発した。現行のドライブユニットと比べて、容積を約16%、重量を約20%低減する一方で最大トルクなどの性能を維持することに成功。2014年12月から順次投入するPASの2015年モデルに、このドライブユニットを搭載する方針である。
モーターを小さくすればいい
次世代ドライブユニットの開発の詳細については、ヤマハ発動機 SPV事業部 第1開発部長の村田和弘氏が解説した。
村田氏は、「ドライブユニットの重量のうち、モーターとケース類がそれぞれ30%を占めている。モーターを小さくすればケース類も小さくできることから、モーターを再設計することにした。そして、小型軽量化したモーターに合わせてドライブユニット内のレイアウトも見直すことにした」と語る。
モーターを新設計する際には、ステーターのティース幅や相数、磁石厚、磁石幅、ステーター/ローターの内外径、エアギャップなどを変更した上で電磁界解析を何十回も行い、磁石の利用率を最大化するための最適化を行った。モーターの銅線についても巻き方を工夫するなどして軽量化を図った。その結果、現行ドライブユニットと比べて、モーターの磁石使用量を35%、ステーター外径を10%、ステーター厚を8%低減することに成功した。
先述した通り、モーターの小型化によって、ケース類などドライブユニットを構成する他の部分も小型軽量化できるはずだ。実際に、ケース類に使用するアルミニウムを28%削減できたという。
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