電動自転車「PAS」がバッテリー1個分軽くなる、次世代駆動ユニットで進化:約20年の歴史も振り返る(2/5 ページ)
ヤマハ発動機は、電動アシスト自転車向けの次世代ドライブユニットを開発した。現行のドライブユニットと比べて、容積を約16%、重量を約20%低減する一方で最大トルクなどの性能を維持することに成功。2014年12月から順次投入するPASの2015年モデルに、このドライブユニットを搭載する方針である。
購入後の改善要望で圧倒的に多いのが軽量化
ヤマハ発動機は、2013〜2015年の中期計画の中で、電動アシスト自転車の進化プロジェクトを推進してきた。2013年モデルでは、回転センサーを追加してよりスムースに自転車のペダルを踏める「トリプルセンサー」を採用し、2014年モデルでは、利便性を高めるために充電時間を半減できる急速充電器とオートライトを搭載している。
同社事業開発本部 SPV事業部で事業部長を務める森本実氏は、「お客さまの購入後の改善要望で圧倒的に多いのが軽量化だった。この重要課題に取り組んだのが、今回発表する次世代ドライブユニットだ」と強調する。
2011年発売のPASに採用したドライブユニットの重量は約4.3kg。今回発表した次世代ドライブユニットは約860gの軽量化に成功し約3.4kgとなった。森本氏は、このドライブユニットの軽量化に加えて、ブリヂストンサイクルの提携によって、現行PASの約90%にアルミフレームを採用していることを説明。「2001年発売のスチールフレーム採用のPASと比べて、現行のアルミフレーム採用のPASは重量が約1.5kg軽い。つまり、現行ドライブユニット+スチールフレームのPASと、2015年モデルからの次世代ドライブユニット+アルミフレームのPASは2kg以上の重量差があることになる。この2kgという数字は、バッテリーユニットと同じ。つまり、2015年モデルのPASは、従来モデルと比べてバッテリー1個分軽いと言ってもいい」(同氏)という。
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