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新型「レジェンド」はFF車ベースだから最高の四駆ハイブリッドセダンになった:エコカー技術(5/5 ページ)
ホンダの新型「レジェンド」は、エンジンルームに横置きのV型6気筒直噴エンジンとモーター内蔵の7速DCT、車両後部に2個のモーターを搭載する、3モーターのハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD」を採用した四輪駆動対応のハイブリッドセダンである。SH-AWDによって自在なトルクベクタリングを実現した新型レジェンドは、ホンダが得意とするFF車ベースでなければ実現できなかったという。
「i-DCD」のようなリコールは起こらない?
リコール問題のあったi-DCDと同じ7速DCTを用いていることから、レジェンドのSH-AWDについてもリコールがあるのではと考える向きもあるかもしれない。
ただし1モーターのi-DCDと3モーターのSH-AWDでは、7速DCT側の動作の複雑さが異なる。i-DCDは、EV走行、エンジンとモーターを組み合わせてのハイブリッド走行、ブレーキ回生といったさまざまな動作を1個のモーターで対応する必要があるため、7速DCTに複雑な制御が必要になる。一方、SH-AWDの7速DCTのモーターは、基本的に発電のみを行い、EV走行などには用いないので、i-DCDの7速DCTほど複雑な制御は行っていない。モーターを使った走行は、TMUのモーターに任せるという役割分担があるので、7速DCTそのものを原因とする不具合はi-DCDよりも発生しにくいと考えられる。
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