新型「レジェンド」は“昂ぶり”を表現、ホンダが旗艦セダンの復権目指す:生産終了から2年半ぶりの復活(1/2 ページ)
ホンダは、同社の高級セダン「レジェンド」の新モデルを発表した。2012年6月に生産終了となった先代モデルをフルモデルチェンジしたもので、2015年1月22日より販売を開始する。3モーターのハイブリッドシステム「SH-AWD」や、新開発の運転支援システム「ホンダ センシング」が搭載するなど、ホンダの新たなフラッグシップモデルとなる。
ホンダは2014年11月10日、東京都内で会見を開き、同社の高級セダン「レジェンド」の新モデルを発表した。2012年6月に生産終了となった先代モデルをフルモデルチェンジしたもので、2015年1月22日より販売を開始する。ハイブリッド車のみの展開で、税込み価格は680万円。月間販売目標台数は300台としている。
コンセプトは「Smart Exhilarating Luxury」
会見に登壇したホンダ社長の伊東孝紳氏が「ホンダの持つ最先端の技術を搭載した」と語る新型レジェンドのコンセプトは「Smart Exhilarating Luxury」。新型レジェンドの開発責任者を務める本田技術研究所 4輪R&Dセンターの青木仁氏は「誇り、先進性、そして何よりもその走りによる“昂ぶり”を上質に表現することが狙いだった。クルマを意のままに操る楽しさ、見た人が振り返るようなデザインをスマートかつラグジュアリーに表現した」と開発コンセプトについて説明する。
3つのモーターを利用する新型ハイブリッドシステムを搭載
新型レジェンドのパワートレインにはモーターを3個用いるハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(以下、SH-AWD)」を採用した。フロント部分に排気量3.5l(リットル)V型6気筒の直噴ターボガソリンエンジン「i-VTEC」とモーターを内蔵する7速デュアルクラッチトランスミッション(DCT)を、リヤ部分に2個のモーターを搭載する構成となっている。バッテリーにはリチウムイオン電池を採用した。
フロント部分の7速DCTに内蔵されているモーターの最高出力は35kW(3000rpm)、最大トルクが148Nm(500〜2000rpm)で、i-VTECエンジンの最高出力は231kW(6500rpm)、最大トルク371Nm(6500rpm)となっている。i-VTECエンジンには、低速走行時に6気筒のうちの3本を休止させて燃費性能の向上に貢献する「可変シリンダーシステム」も採用した。
リヤ部分に積まれている「ツインモーターユニット」内のモーター1基あたりの最高出力は27kW(4000rpm)、最大トルクが73Nm(0〜2000rpm)である。これらを組み合わせたシステム全体の最高出力は281kW。JC08モード燃費は16.8km/lを達成した。
意のままの走りを実現するコントロールシステム
新型レジェンドは、ガソリンエンジンと3個のモーターを制御することで、走行状況に応じて前輪駆動、後輪駆動、4輪駆動といった駆動方式に加え、後輪の2個のモーターのみで走行するEVドライブ、ガソリンエンジンによる前輪駆動とリヤ部分に搭載されたツインモーターユニットを利用して走行するハイブリッドドライブ、エンジンのみで走行するエンジンドライブの3つの走行モードの中から、走行状況やドライバーの要求に応じて最も効率のいい組み合わせを自動で選択する。
また、SH-AWDでは、ツインモーターユニットに搭載された2個のモーターを独立制御して、左右のリヤタイヤを個別にコントロールする「トルクベクタリング」が可能となっている。ガソリンエンジンのトルクに依存せずに、走行状況に応じて左右のリヤタイヤの駆動力と減速力を制御可能にすることで高い操縦安定性を実現した。
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