足し引き自在で効果は無限大! 金属3Dプリンタと切削加工の複合機投入が本格化:JIMTOF2014(3/3 ページ)
「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で大きな見どころの1つとなったのが、工作機械と金属3Dプリンタの複合機だ。金属を「足す」3Dプリンタと金属を「引く」切削加工機が組み合わさることでモノづくり現場にどういう価値をもたらすのだろうか。
金型製造を重視する松浦機械製作所
2002年に金属光造形複合加工機を製品化した“老舗”である松浦機械製作所は「LUMEX Avance-25」を出展。同社の金属光造形複合加工機は、ファイバーレーザーによる金属光造形とマシニングセンタを組み合わせた製品で、既に金型製造などで多くの導入実績を持つ。
同社は金属積層造形の方法としてパウダーベッド方式を採用。これは粉末を敷いた領域を熱によって選択的に溶融結合させる技術だ。スペックとしては、X/Y/Z軸移動量が260/260/100mm、最大工作物は250×250mmとなっている。レーザーには、Yb(イッテルビウム)ファイバーレーザーを使用。主軸回転速度は45000min-1で工具収容本数は20本となっている。
複合加工機では完全部品の直接製造なども期待されているが、同社では「基本的には金型製造をベースとする現状は変わらない。多くの業種で採用されているが、今後は航空機および医療業界への導入に期待している」(説明員)と話している。
10月から新たに複合機に参入したソディック
ソディックは、2014年10月から販売を開始した「OPM250L」を出展。同製品は、粉末金属にレーザー光をスキャンすることによって溶融凝固させる粉末積層造形と、回転工具を用いた高速ミーリングによる仕上げ加工(切削加工)までを連続して行えるもの。プラスチック成型品の金型製造に適応した場合、金型内部への3次元冷却配管や幅の狭い深リブを配置することが可能となり、従来加工できなかったような複雑な金型作りが行えるという。
販売価格は6500万円(税別)からとしており、同社 加賀事業所(石川県加賀市)で、年間60台以上の生産を見込んでいるという。
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