電子工作で無線通信を体験、TWE-Liteで自宅をもっと便利にしよう!:アイデア・ハック!! TWE-Liteで家庭内M2M計画(1)(4/4 ページ)
もはや「M2M」「IoT」「クラウド」といった“つながる技術”は、組み込みに欠かせないキーワード。無線内蔵マイコンを搭載した「TWE-Lite DIP」で、これまで難しそうに思えていた無線通信の基本を、電子工作で楽しく体験しよう! 目指すは、家庭内M2Mだ!!
もう少し、デジタル送受信をテストしておきたい
ここでの回路は親機にスイッチ、子機にLEDが搭載されていますが、TWE-Lite DIPは相互通信もできるので、子機から親機も操縦可能なのです。 先ほどの回路で親機と子機を入れ替えて、動作テストをしてみましょう。
また、TWE-Lite DIPは1対多の使用も可能です。複数の子機から親機のLEDを操作してみます。ちなみに論理上は6万5535台の子機をコントロールできるそうです。
気になるのは、無線の通信距離です。実測でどの位まで電波が届くのかテストしてみましょう。この時に注意するのは、LEDが光った子機を持って親機からどんどん離れていっても、通信距離のテストにならないという点です。
出荷時に搭載されている「超簡単! TWE標準アプリ」は、親機と子機のデータ送受信が成功したか否かのチェックをしていません。何か理由があって、電波が届かなかった場合は、それまでの情報をキープします。
つまり、
- 1)親機のスイッチをON
- 2)子機のLEDが光る
- 3)親機と子機の距離を開ける → LEDは光ったまま
となります。
そこで、Arduinoの出番。親機のデジタル入力にArduinoからオン・オフの信号を送り、子機のLEDを点滅させましょう。この状態で子機を持って歩けば、LEDが点滅しなくなったところが通信限界距離です。
Arduinoは、出荷時に13番ピンにLEDをさすと点滅するようなプログラムが書き込まれています。ということは、Arduinoの13番とTWE-Lite DIPのデジタル入力1を接続すれば、子機のLEDがチカチカと光るはずです。
ArduinoとTWE-Liteは、動作電圧が異なります。Arduinoは5V、TWE-Liteは2.3〜3.6Vで動作します。Arduinoのデジタル出力は5Vなので、TWE-Liteのデジタル入力へ直接接続してはいけません。TWE-Liteに3.6V以上の電圧を入れると壊れる原因になるからです。今回は、2つの抵抗を使って分圧回路にし、電圧を落として接続しています。
子機の配線は変わらずそのままです。それでは、TWE-Lite 無線通信距離実験装置を持って歩き、どの位の距離まで電波が届くかテストしてみましょう!
2階に親機をおいたら、広い校庭の端まで電波が届きました。地図で距離を計測したら約300mありました。
このテストで
- 移動しながらの通信は安定しない
- 低い位置よりも高い位置の方が電波が届く
といったことが体感できました。ちなみに3LDKの筆者宅だと玄関外もトイレも含めて隅から隅まで、電波が届きました。玄関を出て、非常階段の方へいくと鉄筋に囲まれている場所になるせいか、電波が届きにくくなるようです。このように、見通しが悪くて電波が届かないときには、設定で中継機モードにすれば通信距離を伸ばせます。中継機モードは、連載の中で使う時があるかもしれません。
「TWE-LITE DIPを使うと、無線通信がカンタンにできるんだなー」
「相互通信ができるのか」
「結構、遠くまで電波が届くんだなぁ」
ということが伝わったでしょうか。本連載では、TWE-Lite DIPにさまざまなセンサーをつなげて、ちょっと便利なガジェットをプロトタイピングしてゆきます。「面白そうだなぁ」と思ったら、ぜひ筆者と一緒に家庭内M2Mに取り組んでください。
東京コスモス電機さんからアドバイス!
スイッチに接続されている10Ωの抵抗R1はTWE-Liteに内蔵されていますので、必要ありません。無線通信距離は、障害物の有無やアンテナの高さなどの条件で大きく変わります。記事にあるように、アンテナの位置が地面に近いと通信距離が短くなります。条件を変えてテストをしてみるのも面白いですよ。
これでTWE-Lite DIPの基本となるデジタル送受信はカンペキ!? 予想以上にカンタンでしたね。次回は、アナログ通信を使ってLEDを操作してみましょう。お楽しみに!
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