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三菱重工業、たる形の多刃工具で内歯車を高速・高精度に加工するシステムを開発FAニュース

たる形の多刃回転工具「スーパースカイビングカッター」を使用することで、加工が難しい内歯車の量産が可能になった。工具の長寿命化と専用の切削シミュレーションソフトなどにより、加工時間の短縮や生産コストの低減も図れる。

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 三菱重工業は2014年10月20日、内歯車をたる形の多刃工具で高速・高精度に加工する「三菱スーパースカイビングシステム」を開発したと発表した。

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スーパースカイビングカッター

 スカイビング加工とは、ピニオンカッター型などの回転工具をワーク(歯車材)に対して軸交差角度を与えて取り付け、両者を同期回転させることで切削加工する技術のこと。高速加工が可能な半面、切削角度(すくい角)が鈍角となるため、加工精度を高めることが難しく、工具の消耗も激しいという課題があった。

 新システムでは、同社の独自技術であるたる形の多刃回転工具「スーパースカイビングカッター」を使用。量産用内歯車研削盤「ZI20A」で採用したたる形砥石技術をスカイビングに適用したもので、ワークとの干渉を避け、かつ切削角度が鈍角にならないようたる形にしたことで、大きな軸交差角が取れる。これにより、切削速度・加工精度とも、ピニオンカッター型スカイビングを凌ぐ水準を達成でき、加工が難しい内歯車の量産が可能になった。また、多刃にしたことで、工具寿命は2倍以上に長寿命化したという。

 工具の他に、スカイビング専用に切削シミュレーションソフトも開発している。工具切刃に掛かる切削力などを正確にシミュレーションすることで、工具の長寿命化と加工機に合った最速加工ができ、加工時間の短縮や生産コストが低減できるとしている。

 同社では、2015年4月をめどに工具と専用スカイビング盤の販売を開始し、シミュレーション技術や加工機、加工ソフトを組み合わせた新システムとして提案していくという。

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