まさに“卓上加工”、碌々産業と由紀精密が共同開発したCNC工作機「VISAI」が始動:JIMTOF2014
碌々産業と由紀精密が共同開発したデスクトップ型の超小型高精度CNC(コンピュータ数値制御)工作機械の新ブランド「VISAI」が始動し、「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」で実機が公開された。
碌々産業と由紀精密は、「第27回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2014)」(2014年10月30〜11月4日、東京ビッグサイト)において、両社で共同開発した超小型高精度CNC(コンピュータ数値制御)工作機械「VISAI」の1号機を公開した。
両社は、2013年9月に新たな超小型CNC工作機ブランドの立ち上げと機械開発に合意し、共同開発を進めてきた。微細加工を得意とする工作機械を開発する碌々産業と、精密部品の製造技術で旅客機・超小型人工衛星の製造に携わる由紀精密の技術を終結し、小さいながらも数値制御による複雑な形状加工ができるデスクトップ微細加工機の実現を目指した。
第1号機となる「VISAI L-01」は、本体重量が約40kg、機械の高さが約300mm、所要床面積が幅800×奥行き560mmという、まさに“卓上サイズ”のコンパクトさを実現。さらにこの小型さを実現しながら、加工精度は±1μmの加工精度を実現している。通常は、1μm単位の加工精度を実現するには400kg程度の大きさと剛性が必要だとされているが、その10分の1程度の重量で同程度の精度を実現することに成功したとしている。さらに、家庭用コンセントのAC100V電源で動作するので、工場の空きスペースやオフィススペースでの利用を実現している。
移動量はX軸200mm、Y軸200mmで、最大加工径は20mm。主軸回転数は150〜2000min-1。PCコントロールベースのCNC「Smart-I」を付属する。発売時期は2015年春を予定している。
両社では今後、機械式精密高級時計の部品加工や航空宇宙機器向け精密部品の開発、また、従来は設備規模の点で高精度工作機械の導入が難しかった一般趣向分野向けに、製品を展開していくとしている。
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