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ファブラボ鎌倉が教える21世紀の「読み・書き・そろばん」モノづくり×ベンチャー インタビュー(3)(2/4 ページ)

「ほぼ、なんでも作る」を目的に、世界各国でさまざまな活動をおこなっているファブラボ。日本に最初に設立されたファブラボであるファブラボ鎌倉は、モノづくりの未来を見据えた人材育成に取り組んでいる。その背景について、ファブラボ鎌倉のプロダクトマネージャーを務める渡辺ゆうか氏を取材した。

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ファブラボ鎌倉の役割は「教育」

MONOist 最近、日本国内各地にデジタル工作機械を備えた施設が増えています。その中でもファブラボ鎌倉は人材の育成や、研究開発に注力されています。そういった活動を重視する理由について教えてください。

渡辺氏 最近、ファブラボ以外にもメイカーズスペースなど、さまざまな施設ができていますよね。米国のTech Shopも2015年には日本に進出するといわれています。こうしたモノづくりができる場所や施設って、それぞれ得意なことや役割が違うと思うんです。そこでファブラボ鎌倉の役割を考えると、それは教育なのではないかなと思っています。

 2011年に米国デューク大学の教授であるCathy N. Davidson氏がニューヨークタイムズに「2011年度に米国の小学校に入学した子どもたちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」とコメントしたことが話題となりました。現在、その発言に対して「本当だろうか?」と思う人は少ない時代になってきたと思います。

子ども向けのワークショップの様子(クリックで拡大)出典:ファブラボ鎌倉

 ファブラボ鎌倉では、21世紀の「読み・書き・そろばん」として「Web・Fab・Presentation」を掲げています。これら3つのスキルがあれば、これからの時代を楽しく生きたり、ものごとを考えたりするための手段になるよという意味ですね。もし、それらのスキルを今持ってないのであれば今から学べばいいのではないかと思っています。そのために、いつでも誰でも学べるようなプラットフォームとして、ファブラボという存在があります。


子ども向けのワークショップの様子(クリックで拡大)出典:ファブラボ鎌倉

 未来を見据えた場合、「教育、学び、研究、雇用の創出」というのは循環させる必要がありますが、日本の現状ではどうしても分断されてしまっている。その循環を実現させるために、ファブラボ鎌倉では、これまでデジタルファブリケーション機材に触ったことがない、ゼロベースの人たちのステップアップをサポートする取り組みに注力している状況です。そのプラットフォームとしてファブラボがあるということですね。

 ステップアップをサポートするといっても、例えば朝ファブでは誰かが何かを丁寧に教えてくれたりはしません。朝ファブに参加して、学びたいと思った人は講習会に参加していますね。やっぱり自分で学びたいと思わないと前に進まないし、今は調べ方を学ばないと置いて行かれてしまう時代ですよね。ファブラボ鎌倉では、自分で調べて動くということを学べる場所でありたいと思っています。

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