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世界最大規模の商用車ショーに見る、トラックとバスの未来のカタチIAA国際商用車ショー2014 リポート(5/5 ページ)

ドイツの自動車ショーと言えば、隔年で開催されている乗用車が対象の「フランクフルトモーターショー」が知られている。しかし、その間の年に開催されている、ハノーバーを舞台にした世界最大規模の国際商用車ショーも、トラックやバスなどのトレンドを見据える上で重要なイベントになっている。川端由美氏によるリポートをお届けしよう。

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部品サプライヤも提案活動を強化

 部品メーカーでは、ZFがTRW Automotiveを買収したばかりだったこともあって、今後の戦略に質問が集中した。技術面で目立っていたのは、けん引トラックの遠隔操作だ。「フランクフルトモーターショー2013」では、乗用車のけん引用として、タッチパッドを使って遠隔で車庫入れができるシステムを披露したが、今回はそのトラック版だ。ドライバーは、タッチパッドに表示されたトラックのふかん図にタッチすることで、意のままにリモートでトラックを操作できる。

ZFのけん引トラック遠隔操作技術の展示。タッチパッドを使って自在に遠隔操作できる(クリックで拡大)

 クリーンディーゼルエンジンの技術でリードするRobert Bosch(ボッシュ)は、Mahle(マーレ)との合弁企業で開発しているターボ技術や、ハイブリッドシステムのソリューションなどを展示していた。車載情報機器の通信接続に向けた取り組みなどもあって、メガサプライヤらしい全方位での開発意欲を見せていた。

 いっときは、各社がEaton(イートン)のハイブリッドシステムを搭載してテストをしていたが、最近あまり採用例を聞かない。実は、同社はハイブリッドシステムの開発を中国向けに特化する方針に転換していた。中国では国内産業を活用する要請があるため、二次電池とモーターに関して現地企業との合弁を組んで、複数の自動車メーカーに供給する体制だ。

 商用車の世界では、オーナーにとって大きな感心事である低燃費化は常に大きな話題だ。同時に、ECによる排気ガス規制がEuro6へと強化されることへの対応も重視されてきた。さらに今回のIAA国際商用車ショー2014では、ダイムラーが自動運転を見据えたコンセプトカーを登場させたことにより、また新たな未来が加わったようだ。

筆者紹介

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川端由美(かわばた ゆみ)

自動車ジャーナリスト/環境ジャーナリスト。大学院で工学を修めた後、エンジニアとして就職。その後、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランスの自動車ジャーナリストに。自動車の環境問題と新技術を中心に、技術者、女性、ジャーナリストとしてハイブリッドな目線を生かしたリポートを展開。カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の他、国土交通省の独立行政法人評価委員会委員や環境省の有識者委員も務める。



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