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コミュニティーづくりから実戦の場へ――世田谷ものづくり学校が描く新ビジョンモノづくり×ベンチャー インタビュー(2)(4/4 ページ)

IID 世田谷ものづくり学校(IID)は2014年秋から、個人のクリエイターや中小企業を巻き込んでモノづくりを産業として発展させる体制を整えている。廃校を再活用したモノづくり拠点として2004年から行ってきた取り組みを基に、今後はどのようなビジョンで活動を進めようとしているのだろうか。

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「IID 実戦セミナー」でモノづくりの知識と技術を

MONOist 「スクール」の部分について教えてください。

木下氏 IIDにこうしたさまざまな環境が整っていても、それを実際にビジネスにするためには一定のスキルが必要になってきます。そこで、さまざまな知識を体系的に身につけられるような教育や、最新のデジタルツールが使える人材を増やしていきたいと考えて「IID 実戦セミナー」を企画しました。実践ではなく実戦と表記しているように、実際に活用できるスキルを身につけてもらえるようなセミナーになっています。


「スクール」の概要(クリックで拡大)出典:IID 世田谷ものづくり学校

さまざまなニーズに対応するプログラムを企画している(クリックで拡大)出典:IID 世田谷ものづくり学校

 早速、2014年10月から4つのセミナーがスタートする予定です。1つは多喜義彦氏をメイン講師として、毎月ゲストを招きながら、製品の成功事例ではなく失敗事例や苦労を通して製品の開発プロセスを学ぶという講座です。企画やマーケティング関連だと、タカラトミーの社長を務めていた佐藤博久氏を招いて、現在ヒットしている商品や事例を分析するセミナーも開講します。IIDの活動を続ける中で思ったのが、デザイナーの方にしろ技術を持った方であっても、アイデアだけが先行してしまい、結果的にプロジェクトがうまく進まないケースが多いということでした。そういった部分をサポートしたいと思って開設した講座です。

 また、3Dプリンタなど、デジタルファブリケーションといった最新の技術を学びたいという方に向けて、ケイズデザインラボさんと共同開催するイベントやセミナーも検討しています。

 新規事業のスタートアップや、新製品の開発のための手段として注目されているクラウドファンディングに関するセミナーもあります。これは、クラウドファンディングサイトの、MotionGalleryさんと共同で行うワークショップ形式のセミナーです。実際に試作品を作ったり、その評価を行うなど、最終的にクラウドファンディングを利用して事業としてスタートするところまでを目指せる講座となっています。

 最近、クラウドファンディングの登場やデジタルツールの進化によって、「個人で始められるモノづくり」というのが出てきていますよね。それは、個人で始められるというだけで、1人で全てできるということではありません。IIDでは、個人や中小企業が考えたアイデアを製品にするには、こういう技術が必要ですよねとか、これは3Dでデザインした方がいいかもしれない、もっと職人的な技術を活用すると上手くいくかもしれないというように、作ることのサポートも行っていきます。

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