マツダの自動運転技術は「万が一を助ける黒子」:CEATEC 2014
マツダが「CEATEC JAPAN 2014」で展示した自動運転車は、GPSの位置情報を用いて地図データとのマッチングを行い、それに合わせてステアリングやアクセル、ブレーキなどを自動的に制御するというシンプルなものだった。これには理由がある。
マツダは、「CEATEC JAPAN 2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日、幕張メッセ)において、自動運転技術を搭載した「Mazda3(日本名:アクセラ)」を披露した。
今回、Mazda3に搭載した自動運転技術はそれほど多くはない。GPSの位置情報を用いて地図データとのマッチングを行い、それに合わせてステアリングやアクセル、ブレーキなどを自動的に制御するというシンプルなものだ。
一般的に自動運転車というと、さまざまなレーダーやカメラなどを搭載して車両の周囲をセンシングしているイメージがある。しかし、今回のMazda3の自動運転車は、米国カリフォルニア州にあるサーキット場「ラグナ・セカ」を、自動運転で走行させる実験で使用するために開発された。このため、他の車両や歩行者を検知する必要がないので、レーダーやカメラを搭載していないというわけだ。
同社の説明員は、「“走る歓び”を追求するマツダとしては、自動運転技術について、簡単・便利系のシステムではなく、もし万が一危険な状態になったときにドライバーを助ける黒子として使えるようなものにしたいと考えて開発している。ラグナ・セカで行っている自動運転技術の実験は、自動運転時であってもスムーズに走れる制御技術を手に入れることが目的。使用している自動運転のアルゴリズムは、トップドライバーの運転操作がベースになっている」と述べている。
自動運転の制御技術に関する知見を積み上げた後に、現在「i-ACTIVSENSE」として展開している先進安全技術と組み合わせて行く方針。ただし、自動運転技術の実用化時期は明らかにしていない。
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