デンソーがSiCデバイスの外販を本格化、「REVOSIC」ブランドで展開:CEATEC 2014
デンソーはSiCデバイスの外販活動を本格化させる。「CEATEC JAPAN 2014」で展示した汎用パッケージ品を既にサンプル出荷しており、ベアチップの供給も間もなく開始する。「REVOSIC」というブランド名称で展開するという。
デンソーは、「CEATEC JAPAN 2014」(シーテック ジャパン/2014年10月7〜11日、幕張メッセ)において、SiC(シリコンカーバイド)デバイスの最新の開発成果を展示した。
今回披露したのは、低オン抵抗を特徴とするトレンチ型SiC-MOSFETを作り込んだ6インチのSiCウエハーと、パワー半導体の汎用パッケージであるTO-247パッケージに封止した製品などである。既に、このTO-247パッケージ品のサンプル出荷を始めているが、今後はベアチップを使ってSiCモジュールを開発したい顧客向けにKGD(Known Good Die:良品であることが確認されているベアチップ)のサンプル出荷も始める方針だ。
これらの外販活動の本格化に合わせて、デンソーのSiC技術を「REVOSIC」というブランド名で展開することも決めた(REVOSICのWebサイト)。
これまで同社は、SiCデバイスの共同開発パートナーであるトヨタ自動車や豊田中央研究所などの他にサンプルを提供していなかった。「しかし、電気自動車やハイブリッド車のインバータをはじめとする車載用途でSiCデバイスの売り上げを立てるにはもうしばらく時間がかかる。そこで産業機器向けなどでの外販を本格的に始めることにした。REVOSICというブランド名称は、外販する上で必要なこと」(デンソーの説明員)だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- デンソーが出力密度100kW/lのSiCインバータを紹介、高着火スパークプラグも
デンソーは、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、独自開発のSiC(シリコンカーバイド)デバイスを用いた高出力小型インバータモジュールを紹介する。その出力密度は、2012年の同展示会で達成した60kW/l(リットル)を大幅に上回る100kW/lを実現したという。この他、燃費改善に貢献する気流誘導高着火スパークプラグなども展示する。 - デンソーがSiCインバータの量産開発を2016年に開始、サイズは従来品の半分以下
デンソーは、「第43回東京モーターショー2013」のプレスカンファレンスにおいて、次世代パワー半導体として知られるSiCデバイスを用いた小型インバータの量産開発を2016年から始める方針を明らかにした。 - デンソーなど3社が6インチSiCウェーハを開発、EVなどの大容量インバータに最適
デンソー、昭和電工、豊田中央研究所の3社は、欠陥数を従来比で10分の1に削減した6インチSiCウェーハの開発を進めている。欠陥数の削減により、電気自動車(EV)などの大容量インバータに適した、電流容量の大きいSiCデバイスを歩留まり良く製造できるのが特徴だ。