セメダイン、グローバル競争力強化に向け情報システムにSAPのシステムを全社導入:製造IT導入事例
セメダインでは、国内外での競争力強化による事業成長を目指し、システムを刷新。新たなシステムとしてSAP ERPが採用された。これにより、経営の意思決定を迅速化するとともに、業務統制の強化、事業規模拡大に備えた業務効率化などを目指す。
アイ・ピー・エスは2014年8月7日、接着剤の総合メーカーであるセメダインに、SAPジャパンが提供する「SAP ERP」を導入すると発表した。アイ・ピー・エスは、SAPのチャネルパートナーで、SAP ERPの導入、本番稼働後のシステム運用・保守サポートを行っている。
セメダインは、接着剤の総合メーカーで、接着剤・シーリング材・粘着材・特殊塗料・コーティング剤とその加工品の製造販売を主要事業としている。今回、国内外での競争力強化による事業成長を目指し、全社の業務連携を強化する情報システムの整備に向け、システムを刷新。新たなシステムとしてSAP ERPが採用された。
SAP ERPは、ベストプラクティスと呼ばれる豊富な機能とプロセスフローを備えるほか、グループ全体の事業活動に対応していること、多言語・多通貨・現地制度に対応するなどの特長を持つ。また、導入を担当するアイ・ピー・エスでは、プロセス製造業に強い「SAP for Mill Products」を実装したSAP ERPのパッケージ製品「EasyOne runs on SAP ERP」を開発し、SAP ERPが日本企業の商習慣・考え方に合うよう機能やプログラムを補完。これらが評価され、今回の採用につながったという。
同システムの導入によりセメダインでは、経営の意思決定を迅速化するとともに、業務統制の強化、「情報の見える化」による「現場力」の強化、事業規模の拡大に備えた業務効率化、海外での事業成長を前提としたシステムの再構築を目指すという。
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