図研と日立システムズ、仮想デスクトップ環境での電子機器設計環境利用で協業:製造ITニュース
両社は既に、日立システムズが構築した仮想化環境で、図研の最新電子機器設計環境「CR-8000」シリーズが良好に稼働することを確認。2014年度中をめどに、ユーザー環境でのVDIサービスのトライアルを開始する。
図研は2014年9月29日、仮想デスクトップ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)環境でのEDA(電子機器設計自動化ソフトウェア)利用に向け、日立システムズとの協業に合意したと発表した。協業により、日立システムズの構築するVDI環境で、図研の「CR-8000」シリーズをはじめとする電子機器設計環境が動作することを検証していく。
図研は、プリント基板設計自動化ソフトウェアの分野において、メーカー出荷金額ベースで国内トップシェアを持つ企業。昨今、サプライチェーンや開発拠点のグローバル分散化により、BCP・セキュリティなどの課題へ効率的に対応する必要性が高まっていることを受けて、VDI環境での動作検証に取り組んできた。
今回、多くのITサービスパートナーの中から、VDI分野で豊富な実績を持ち、構築から運用・保守、ヘルプデスクサービスまでワンストップで提供可能な日立システムズとの協業を決定。両社は既に、日立システムズが構築した仮想化環境で、CR-8000シリーズが良好に稼働することを確認している。
実証実験では、3Dの画像処理などに適応した機能を持つ米シスコシステムズの「Cisco UCS」や、VDI環境向けのミドルウェアで多くの実績を持つ米シトリックスの「Citrix XenDesktop」などを利用した。この結果を踏まえて図研では、2014年度中をめどに、ユーザー環境でのVDIサービスのトライアルを開始する。
また、協業に当たり、図研は最新システムに関する技術情報や電子機器設計環境に関する知見を提供し、日立システムズは仮想化環境の構築支援、ユーザーへの仮想化環境提供の際のさまざまなサービス提供について協力していく。
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