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ソフトウェア単体から実車まで、テストって本当に大変モデルベース開発奮戦ちう(6)(4/5 ページ)

京子たち三立精機の制御設計チームは、モデルベース開発を活用して、ついに変速機「CVT∞」の制御ソフトウェアを完成させた。しかし、この制御ソフトウェアがきちんと動くことを確認するためにはテストを行う必要がある。ソフトウェア単体から実車を使ったものまで、さまざまなテストが待ち受けているのだ。

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エンジンベンチとシャシーダイナモで検証!

 私は、実験チームのリーダーである中山さんに実機検証をお願いしに行った。


京子

実機検証をお願いします。並行して顧客日程も確認中です。


中山

承知した。


京子

詳細スケジュールは、どうですか?


中山

このように、エンジンベンチシステム、シャシーダイナモシステム、実車走行の順に実機適合・検証を実施することになるんだが、費用を最適化して、最短時間で完了できるよう計画したつもりだ。できるだけ時間と費用の掛かからないことを前段階でやっておいて、実車を使う後段階では一発確認でできるようにするのが基本的なポリシーだよ。と言っても、なかなかそう簡単には行かないんだがね。


 一方、大島さんは、実機検証の日程を確認するため豊産自動車の鈴木さんを訪問していた。

大島

鈴木さん。ECUがまとまりまして、予定通り社内の実機検証を始めています。立会い日程などを確認させてください。


鈴木

え! 予定通り? それはすごいですね。では、順次計画通り進めていきましょう。


 豊産自動車との調整が進む中、私は実験チームと実機検証に向けての準備を進めていた。

京子

HILSで利用したテストデータがあるので提出します。


中山

それは使えるの?


京子

エンジンベンチシステムはどうなっていますか? 私のほうでデータ形式を変換して取り込めるようにします。


中山

助かるよ。実験チーム観点のテストデータがあるのでそれに合わせてくれるかい?


京子

了解しました。仮適合データもお渡ししますので確認をお願いします。


中山

承知した。ところでうちのエンジンベンチシステムは、ドライバー・駆動系・車両および走行状態を設定できるんだが、従来通りでいいのかな?


京子

実は、今回取り組んでいるモデルベース開発では、HILSのドライバー・駆動系・車両および走行状態のモデルがあるので、実機検証にも流用できるのではないかと考えています。でも、エンジンベンチシステムのことがまだよく分かっていなくて……。


中山

教えて上げるから組み込んでくれないか?


京子

よ〜し、前のめります!


中山


 中山さんから教えてもらうことで、無事にベンチエンジンシステムでの検証を完了することができた。

中山

おかげで準備もうまくいって、予定通り完了したよ。


京子

良かったです。


中山

次は実車をシャシーダイナモに載せて検証する。テストデータは、従来通りエンジンベンチシステムから流用可能だ。ドライバーと走行状態の設定のやり方を教えるから、組み込んでくれないか?


京子

やってみます!


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