東芝の元フロッピーディスク工場が植物工場へ転身完了――野菜の生産を開始:製造マネジメントニュース
東芝は神奈川県横須賀市の遊休工場を利用した植物工場を稼働させたことを発表した。レタスやベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナなどの生産を開始し2014年10月下旬に出荷を開始する。
東芝は2014年9月30日、同年5月に発表していた神奈川県横須賀市の植物工場を稼働させたことを発表した(関連記事:東芝が野菜作りに参入、元フロッピーディスク工場でレタスなどを生産)。レタスやベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナなどの生産を開始し10月下旬に出荷を開始する。年間3億円の売上高を見込む。
新たに稼働した植物工場は「東芝クリーンルームファーム横須賀」。1994年までフロッピーディスクを生産していた建屋を転用し、完全閉鎖型の植物工場に転用した。フロッピーディスク生産で活用していたクリーンルームを再利用し、植物育成向けに光の波長を最適化した蛍光灯、均一な温度・湿度の環境を実現する空調機器、栽培状況を把握するための遠隔監視システム、梱包材などを消毒する除菌システム、半導体事業で培った生産管理技術などを活用しているという。
建屋は4階建てで、延べ床面積は1969m2。リーフレタス、ベビーリーフ、ホウレンソウ、ミズナ、スプラウトなどを生産する。生産規模は年産300万株(レタス換算)を想定しており、1日約8000株の生産量となる。
出荷される野菜は菌の侵入を制限したクリーンルームで育成されることから、付着する雑菌数を土壌野菜に比べ1000分の1程度に抑えることが可能。そのため長期保存が可能である点が特徴だ。同社では、スーパーやコンビニエンスストア、飲食事業者などをターゲットとし、販路拡大を進めていく方針だという。
東芝ではさらに、2015年3月期(2014年度)中に海外に新たに大規模植物工場を建設することを計画。植物工場向けの機器やシステムの販売も開始し、事業拡大を進めていくとしている。
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