ARMが新プロセッサ「Cortex-M7」を発表、「コネクテッドカーを進化させる」:車載半導体
ARMは、マイコン向け32ビットプロセッサコア「Cortex-Mシリーズ」の新製品となる「Cortex-M7」を発表した。従来品の「Cortex-M4」と比べて、演算処理性能およびデジタル信号処理(DSP)性能を大幅に高めた。
ARMは2014年9月24日、マイコン向け32ビットプロセッサコア「Cortex-Mシリーズ」の新製品となる「Cortex-M7」を発表した。従来品の「Cortex-M4」と比べて、演算処理性能およびデジタル信号処理(DSP)性能を大幅に高めるなど、Cortex-Mシリーズで最も性能が高いプロセッサコアとなる。次世代の自動車、コネクテッド・デバイス、スマートホーム/ファクトリーなどで利用されるハイエンドの組み込みアプリケーションを主な用途としている。早期ライセンス取得パートナーになったのは、Atmel(アトメル)、Freescale Semiconductor(フリースケール)、STMicroelectronics(STマイクロ)の3社である。
Cortex-M7は、スーパースカラを採用することでパイプラインを6段に増やして演算処理性能を大幅に向上している。処理性能は5.04CoreMarks/MHzで、パイプラインが3段のCortex-M4の3.40CoreMarks/MHzと比べて約1.5倍になっている。また、DSP処理のための浮動小数点ユニットも、Cortex-M4は単精度だけだったが、Cortex-M7は単精度と倍精度の両方に対応した。さらに、64ビット転送をサポートするするAXIインターコネクトの採用により、大容量の外部メモリや周辺回路への効率的な通信接続が可能である。
ARMによれば、Cortex-M7の高い処理性能とDSP機能によって、音声/画像データの高速処理と音声認識が可能になるという。パートナーのアトメルも「自動車業界では、コネクティビティによってクルマの操作性に新しい道が開け、洗練された音声処理機能に対する需要が高まっている。今後のデバイスはさらに高いデジタル信号制御機能を必要とするだろう。その要求に応えるCortex-M7は、市場が必要とする性能を実現するとともに、車室内および他の道路利用者とのコネクティビティにおける進化を加速することが期待できる」としている。
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