検索
連載

デザインマネジメントから日本のモノづくりを語る――MTDO・田子學氏zenmono通信(3/3 ページ)

モノづくり特化型クラウドファンディングサイト「zenmono」から、モノづくりのヒントが満載のトピックスを紹介する「zenmono通信」。今回は、日本で「デザインマネジメント」を実践する数少ないデザイナーの1人であるMTDOの田子學氏にお話を伺った。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

続いて「nasta」についてのお話し

田子氏 こちらの商品は、BtoB企業である、キョーワナスタさんのものです。BtoB企業として業績は安定しているものの、将来的にはこのままではまずいということで、B2C2Bというコンセプトを打ち出して、一度個人向けの商品を生み出してそこで認知度を高められれば、BtoBでも存在感を増すのではないかという仮説で事業展開をすることになりました。そのBtoCの商品開発にデザイナーとして関わり始めました。その中でランドリー商材の商品を生み出して、一般ユーザーに向けた商品が売れ始め実績が出るようになりました。そうすると、この実績を受けて、BtoBの商品開発の相談が実際に来るようになりました。このように、従来BtoCをしたことがなかったような企業も、BtoC商品を開発し実際に販売することで、別の形でBtoBのビジネスが展開することができるという良い事例になっています。

photo

enmono宇都宮氏 しかしビジネスで成功し始めると他の企業がまねしてきたりしませんか?

田子氏 OSOROのケースですと、意匠の取り方に工夫がありました。もともと陶器業界では、意匠権が取られることなくオープンになる歴史がありました。なので、メーカーの方からすると、OSOROの知財権も取得できないという判断でした。しかし、陶器業界ではない弁理士に相談してみると、意匠権が確保できる方法が見出され、知財を得ることができました。このように業界の内部の常識にとらわれないことで、知財も確保しビジネスを継続できるようにすること、こういうこともデザインマネジメントでは仕事の範疇になります。

photo

田子氏 しかし、このようにイノベーティブな仕事を任せていただき一緒にビジネスにしていくためには、パートナーたる企業の方も、未知のことにチャレンジするマインドがなければなりません。そういった思いが共有できて初めて、私のようなデザイナーの仕事が活かされるのだと思います。


photo

enmono宇都宮氏 ありがとうございました。最後に、いままでのMMSのゲストの皆さんにお聞きしているのですが、田子さんの考える、日本の未来についてお伺いしたいのですが?

田子氏 従来持っている固定概念はいったん置いておいて、チャレンジしてみて失敗を経験することが重要だと思います。その失敗の中での気付きを発展に生かすことを実践してほしいと思います。

enmono宇都宮氏 ということで、ぜひ、失敗してみましょう。そして、田子さんに相談してみましょう。ありがとうございました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る