THK、グローバル会計業務を支援する会計システムを稼働:製造IT導入事例
業務ルール、会計業務プロセス、決算期などをグローバルに共通化したシステム。ERPシステムには、SAPジャパンの「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を採用した。対象業務は、一般会計・債権回収・債務支払い・固定資産・予算管理など。
THKは2014年8月25日、グローバル会計業務を支援する「グローバル会計システム」を構築し、同年7月にTHKとTHK新潟で稼働を開始したと発表した。
グローバル会計システムは、業務ルール、会計業務プロセス、決算期などをグローバルに共通化したもの。IFRS対応などの法令や改正への対応、決算早期化、ガバナンスや業務の標準化・集約化によるコスト削減など、強固な経営基盤の確立を目指している。
ERPシステムには、SAPジャパンの「SAP Business Suite powered by SAP HANA」を採用し、国内で初めて稼働した。また、システム構築には日本アイ・ビー・エムのグローバル会計統合専用テンプレート「IBM Express Solution for Global Accounting」を活用。開始から1年という短期で稼働となった。
また、電源障害・サーバ障害でシステムがダウンした際、フェイルオーバー機能で待機系のSAP HANAに自動スイッチする技術を実装。さらに、データセンター自体の障害に備えたSAP HANAのディザスターリカバリー機能も採用した。これにより、地理的に東西500km以上離れたデータセンター間で、ソフトウェアによるシステム同期が可能となっている。
グローバル会計システムの対象業務は、一般会計・債権回収・債務支払い・固定資産・単体決算・予算管理などで、2015年度中までに世界21カ国・地域に展開する予定。
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