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中堅製造業グローバル化の波に乗るJD Edwards――「製番」など日本のニーズに対応ものづくり支援ソフトウェア製品レポート(1/2 ページ)

中堅中小企業向けERPパッケージ「JD Edwards」。オラクルの傘下に入ってからも継続的な投資を続け、機能進化を続ける。JD Edwardsは製造業に強いとされているがその要因はなぜなのか。米国オラクルでJD Edwards担当シニアバイスプレジデントのライル・エクダール(Lyle Ekdahl)氏に話を聞いた。

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 企業としてのJD Edwards(以下、JDE)は1977年の創設。もともとは会計ソフトを製造・販売していたがこれらをERP(Enterprise Resource Planning)アプリケーションに発展させ成長を続けてきた。同社は、2003年に米国ピープルソフトに買収され、2005年にそのピープルソフトが米国Oracle(以下、オラクル)に買収されたことで、オラクル傘下に入った。

 オラクルは、積極的なM&A戦略でポートフォリオ拡大を進めている。その過程で同様の機能を持つシステムを複数内包しており、ERPシステムも「Oracle E-Business Suite」を始め、多くのシステムを抱えている。しかし、その中でも「JD Edwards EnterpriseOne」は、2021年までの製品ロードマップが示されるなど、継続的な投資が約束されている。「JD Edwards EnterpriseOne」は中堅中小製造業から高い支持を集めているが、その理由はなぜなのか。また、今後どういう方向性で進化するのか。オラクル JD Edwards担当シニアバイスプレジデントのライル・エクダール(Lyle Ekdahl)氏に話を聞いた。



中堅中小製造業はグローバル化を加速

MONOist JD Edwardsは中堅中小製造業から高い支持を受けていますが、日本でも好調に推移していると聞きます。まず現状をどう見ていますか。

エクダール氏
オラクル JD Edwards担当シニアバイスプレジデントのライル・エクダール氏

エクダール氏 グローバルで成長を続けているが、日本でも昨年度(2012年度)は過去最高の実績を残している。過去5年を見ると非常に高い成長率を維持できている。また導入進行中の案件も多く手応えを感じている。

 大手製造業クラスは当然だが、中堅クラスの製造業にとってもグローバル化への対応を進めなければならなくなっているというのが大きな要因だ。また製造の一部を外部に委託するケースも増えてきている。これらに対応するためにはグローバル対応が可能なERPシステムを導入することが必要になる。

 ASEANに新たな工場を建設するなど、従来大手製造業が歩んできた道を今中堅・中小製造業が歩んでいる。グローバルにおける最適地生産や最適な拠点配置などを整備している。また、市場環境の変化が激しくなる中、混流生産など、生産や販売などでより柔軟性を持つことが重要になっている。その意味でも柔軟性のあるシステムを中心に据えることが必要になってきている。加えて製造業は競争が激しくなっているため、全体的に利益率が低くなっており、競争力を確保するためにも効率化が必須事項だ。

 これらがわれわれにとって追い風になっている。JD Edwardsはこれらの追い風とともに、中堅・中小企業に最適な機能を備えていることから、導入を伸ばすことができている。

ここ数年「製番」など日本の製造業向けの機能を充実

MONOist なぜ中堅中小製造業で高い評価を受けていると考えていますか。

エクダール氏 まず全ての土台としてJD Edwardsが製造業向けERPで長い歴史を持ち、多くの実績を抱えていることが挙げられる。多くの企業で利用されてきたことから、各企業のノウハウを取り入れ、そのフィードバックを反映することで、パッケージソフトでありながら、柔軟で利便性の高いシステムを構築することができる。

 例えば、ここ数年は日本の製造業が求める機能を重点的に実装してきた。ここ最近では「製番」機能などを実装し、製造工程を管理できる。現在はこの「製番」機能を米国の製造業にアピールしているところだ。こういうブラッシュアップを常に進めてきたことが強みとなっている。

 また、製造業にとってコスト削減が大きなポイントになる中、ランニングコストなども含めたTCO(総所有コスト)におけるパフォーマンスが高いこともポイントだ。コストに合わせて、小規模で低価格のシステムから高機能なシステムまでスケールアップしていけることから、中堅中小製造業が成長に合わせて利用しやすいことも、評価を受けているポイントだと考えている。

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