JR東日本が農業に参入――福島県いわき市に植物工場を建設しトマトを生産:製造マネジメントニュース
JR東日本が農業に参入する。新会社とまとランドいわきファームを設立し、福島県いわき市に太陽光利用型植物工場を建設する。
東日本旅客鉄道(JR東日本)が農業に参入する。JR東日本は2014年9月3日、新法人「JRとまとランドいわきファーム」を設立し、福島県いわき市に太陽光利用型植物工場を建設する。
JR東日本グループでは、地域との連携を生かし、地産品ショップ「のもの」を中心とした地産品の販路拡大や、地域の6次産業化に向けたモノづくりに取り組んでいる。今回のトマト生産はこの取り組みの一環となるもの。
トマト生産で高い実績を持つとまとランドいわきと提携し、JRとまとランドいわきファームを設立。太陽光利用型植物工場を建設し、トマトの生産を行う。生産したトマトは、首都圏のJRグループ会社で業務用として活用する他、今回建設する植物工場に隣接するトマトの加工・販売・レストランなどを展開する「ワンダーファーム」で使用する予定だという。
設立した新会社は、資本金120万円だが、2015年初までに1億円に増資する予定。増資後はとまとランドいわきが50%、JR東日本が49%、農家5人が1%という出資比率になる予定だという。
植物工場は、敷地面積2.5ヘクタール、施設面積1.7ヘクタール。2015年夏に着工し2016年春から栽培を開始。2016年夏から出荷を行う計画だという。生産量は年間600トンを予定している。
植物工場および農業への異業種参入はここ最近加速。富士通やパナソニック、東芝などが植物工場および生産物の販売に取り組む他、トヨタ自動車やデンソーなども関連ソリューションを提供するなど、提案が過熱している(関連記事:レタスを作る半導体工場!? 植物工場は製造業を救う切り札になるのか)。
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