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紛争発生時の生産移転コスト、すぐ見えますか――オラクルが経営管理クラウド提供製造ITニュース

日本オラクルは同社が展開する予算管理ソリューション「Oracle Hyperion Planning」のクラウド型サービス「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」を発表した。従来は大企業の導入が大半だったが、クラウド化の効果により、中堅製造業などでも、複雑な経営情報を可視化し迅速な経営判断を下せる効果を享受できるという。

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 日本オラクルは2014年8月25日、同社が展開する予算管理ソリューション「Oracle Hyperion Planning」(以下、ハイぺリオン プランニング)のクラウド型サービス「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」(以下、PBCS)を発表し、提供開始した。

 同社の経営管理ソリューション「Oracle Hyperion」(以下、ハイぺリオン)は、経営管理ソリューションとして多くの実績を持ち、グローバル展開する大規模企業で1万社以上の採用実績を誇る。日本企業では、事業計画や予算管理、収益性分析などをExcelで行うケースがまだまだ多いが、これらを専用ソリューションで行うことで、事業の効率性向上を訴えている。

Excelでの運用管理で難しいこと

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日本オラクル 代表執行役社長 兼 CEOの杉原博茂氏

 日本オラクル 代表執行役社長 兼 CEOの杉原博茂氏は「グローバル企業での実績を持つ、外国人の役員や社外取締役が増える中、Excelでの運用管理には限界がある。公益財団法人の日本生産性本部の調査によると日本の労働生産性は先進国の中で最下位となっており、日本企業の情報管理を見ているとまだ自動化されていない領域が数多く存在する。日本オラクルとしてはそこにビジネスチャンスがあると考えている」と語る。

 Excelで経営情報を集計した場合、配布や収集、集計作業の負荷により計画策定に多くの時間がかかる他、転記ミスなどにより数値の精度が低いということが課題として挙がる。また管理の属人化や責任の所在が不明確である点なども問題だ。

 経営管理ソリューションを担当する日本オラクル 執行役員 BI/EPM事業統括 伊藤健治氏は「為替の変動や紛争リスク、工場の移転など、グローバル展開を進めていれば、収益やコストに大きな影響を与える事象が発生することは多い。スピードが最も重要な要素になる中、見通しの修正や計画の変更などの経営判断をいかに早く下せるかというのは企業の収益を左右する」と語る。

 実際に、既に導入済みの企業においては以下のような事項で効果を発揮したという。

  • 工場立地地域で暴動時が発生した場合、移管する生産工場のコストに対するシナリオシミュレーション
  • 在庫量とキャッシュフローの最適な相関関係を把握し、在庫量削減とキャッシュフロー向上を実現
  • 製品別損益構造を可視化し、経営資源配分を最適化
  • 環境変動時に、ブレーキとアクセルのタイミングを逃さない即応体制の構築
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Excelでの管理とPBCSでの管理の比較(クリックで拡大)

4000社以上の実績を持つシステムをクラウド化

 これらを背景に、今回新たにクラウドサービスとして提供するのが、予算管理を行うPBCSだ。同社の経営管理ソリューションのうち、既にオンプレミスでは4000社以上で実績のあるハイぺリオン プランニングを、クラウド化して発売する。

 特徴となるのが、直感的な操作感や自動集計、データ連携や多軸管理におけるセグメント分析、ワークフロー機能などだ。またパラメータ変更による容易なシミュレーションなども可能としている。

photophotophoto PBCSの画面イメージ。Excelと同様の直感的な操作性を実現する(左)他、入力したデータの自動集計(中央)や、多軸でのセグメント分析(右)が可能だ(クリックで拡大)

 これらの利点に加えて、クラウドの利点である、初期投資とランニングコストの抑制や俊敏性向上などの利点が得られる。さらに、PBCSは、既に実績のあるハイぺリオン プランニングをそのままクラウドに移したものであるためITシステムにありがちな導入初期に思ったパフォーマンスが出ないというようなリスクが低く「すぐに思った通りの成果が出せる」(伊藤氏)という。

 PBCSの価格は1ユーザー当たり120米ドル(約1万3000円)。従来、経営管理ソリューションは大企業への導入が中心となってきたが、同社では「クラウド化により、グローバル化を目指す中堅・中小企業も対象となる。ターゲットは広がると見ている」(伊藤氏)としている。

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