検索
連載

国内回帰はあるのか!? 製造業の国内設備投資、業績回復しているのに1.7%減モノづくり最前線レポート(2/3 ページ)

日本政策投資銀行は、大企業の設備投資の状況について調査した「2014年度設備投資計画調査」をまとめ、その概要を発表した。決算などにおける企業の業績回復は進む一方で国内設備投資の減少傾向が続いている現状が明らかとなった。ただ2014年度以降は国内向け設備投資増加が計画されており、国内回帰の動きが強まる兆しも見え始めている。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

海外への設備投資増加は一服感

 一方で海外への投資状況はどうだろうか。製造業の2013年度海外投資の実績は前年度比13.7%増となった。減少したのは「非鉄金属分野」(0.3%減)だけで「化学分野」「電気機械分野」「自動車分野」それぞれが投資を伸ばしている。

 しかし一方で2014年度の計画を見ると、海外への投資は各産業で減少傾向だ。製造業の2014年度の海外投資計画では、前年度比1.6%減となる見込みを示す。業績回復が遅れていた「電気機械分野」が23.1%増の投資を計画している以外は、各分野が海外への投資を低減する計画としている。新興国の成長などグローバル対応を積極的に進めるため、海外投資を伸ばしていた段階は一段落しつつあるといえるだろう。

photo
海外における設備投資動向(クリックで拡大)

 設備投資の海外/国内比率(連結)の推移を見た場合、製造業では63.1%となり、2010年以降増え続けていた海外偏重の投資は一服したと読み取れる。

photo
設備投資の海外国内比率の推移(クリックで拡大)

中期では一部で国内生産を再評価する動きも

 中期的(3年程度)な供給能力への投資計画で見てみると、従来のように爆発的に伸びるということはないが、海外向けが継続して増える傾向は変わらない。「海外への投資を増やす」という回答は継続的に70%を超えている。しかし一方で「国内への投資を増やす」とした回答は2012年度、2013年度の回答が20%前後だったのに対し、2014年度は28.8%に増加しており、一部に国内生産を再評価する動きも出始めている。

photo
中期的な国内・海外の供給能力(クリックで拡大)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る