ロボットスーツHAL、米国輸出に向けFDA申請へ:医療機器ニュース
CYBERDYNE(サイバーダイン)は、「ロボットスーツHAL(ハル) 医療用」を米国に輸出すべく、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)の認証を得るためのプロセスを開始したと発表した。
CYBERDYNE(サイバーダイン)は2014年8月1日、「ロボットスーツHAL(ハル) 医療用 下肢タイプ」について、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)から医療機器承認を取得するための一連のプロセスを開始したと発表した。同社は、ロボットスーツHAL 医療用の特徴および特定クラスへの分類理由などを記載した513(g)申請書類を提出、2014年6月27日に、FDAから申請を受理したとの連絡を受けたという。FDAの承認が得られれば、ロボットスーツHAL(ハル) 医療用 下肢タイプを米国に輸出できるようになる。なお同社は、申請プロセスが完了する時期については、「現時点では明確には言えない」としている。
ロボットスーツHALは、人間の身体機能を拡張することを目的として開発されたもの。身体を動かそうとする際に皮膚表面に流れる微弱な生体電位信号をセンサーで検出、増幅し、コントロールユニットに内蔵されたコンピュータに送信する。その後、解析データに応じてパワーユニット(モーター)を制御し、装着している人間の動作をアシストする(関連記事)。
現在、CYBERDYNEは医療機器として「ロボットスーツHAL 医療用 下肢タイプ」を欧州向けに提供している。同製品は、2013年8月にCE Marking[CE 0197]を取得。EU全域において医療機器指定(MDD:Medical Devices Directives)への適合を認証された。ただし、現在はドイツのみでの取り扱いとなる。さらに、ロボット医療機器関連としては「世界で初めて」(同社)、「ISO 13485(医療機器)」認証を取得している。ISO 13485(医療機器)は、医療分野における品質マネジメントシステムの世界標準規格である。
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