ラティス、複数の作業指示書を自動で作成できるLattice3D Reporterの新版を発表:製造ITニュース
ラティス・テクノロジーは、同社の軽量3次元(3D)データフォーマット「XVL」に対応する3次元帳票ツールの新バージョン「Lattice3D Reporter Ver.8.0」を2014年7月28日よりリリースすると発表した。複数の仕様を持つ製品の作業工程表を自動で作成できる機能や、3次元の表示性能の強化が行われている。
ラティス・テクノロジー(以下、ラティス)は2014年7月28日、同社の軽量3次元(3D)データフォーマット「XVL」に対応する3次元帳票ツールの新バージョン「Lattice3D Reporter Ver.8.0」を同日よりリリースすると発表した。
「XVL」はラティスが開発した、3次元CADなどで生成されたデータを数百分の1まで軽量化しデータを高速表示させることができる軽量3次元(3D)データフォーマットだ。「Lattice3D Reporter」は「Microsoft Excel」内にそのXVLを取り組み、3次元データと画像や表を連動させた部品表や工程指示書などを作成できるツールで、Excelのアドイン機能として利用することができる。今回の新バージョンでは、3次元データを活用した製品の工程指示書などの作成機能や、3次元データの表示性能が強化された。
複数の仕様を持つ製品の作業工程を全て自動作成
近年、グローバル化が進む製造業では、製品の一部の仕様を販売地域やグレードごとに変更する必要があるなど、複数の仕様を持つ製品が増加している。それに伴い、作業指示書や工程表などの作成も複雑になっているという。ラティスはそういった状況に対応すべく、2014年4月に発表した「XVL Studio Ver.13.0」から、いくつかの仕様を持つ製品の複数の作業工程を、単一のXVLファイル内で全て表示させることを可能にしていた。今回のLattice3D Reporter Ver.8.0では、オプションとして利用できる帳票テンプレートを使うことで、そういった複数の仕様を持つ製品の作業指示書を、単一のXVLファイルから仕様ごとに自動で作成する機能が追加された。
また、複数の仕様を持つ製品の工程フローチャートも、帳票テンプレートを利用することで1枚にまとめることが可能になった。
3次元設計データの表示機能も強化
Lattice3D Reporterで作業指示書などを作成し、3次元の設計データを作業工程順にアニメーションとして再生させる際に、選択した部品を強調表示させる機能も搭載された。これにより、組み付け工程の中で注意すべき部品などを強調させることができる。また、アニメーション再生時に、各部品の内部構造を断面表示させることも可能となった。これは、実際にLattice3D Reporterを使用しているユーザーからの要望が多かった機能だという。
その他に、Excel上で3次元モデルの影を表示させることが可能になった。Excel上から影の濃度の調整などを行うこともでき、これにより豊かな質感の3次元モデルの表示が行えるという。
ラティス・テクノロジー代表取締役社長の鳥谷浩志氏は「Lattice3D Reporterを開発した背景には、製品の設計段階で作成した3次元データをあらゆる場面で活用してもらいたいという思いがあった。今回のバージョンアップにより、製品のバリエーションに対応する機能を搭載し、グローバル化への対応を進める製造企業をサポートしていく」としている。
価格
なお、既に旧バージョンの製品を購入しているユーザーで、年間保守に加入している場合は追加費用なく最新バージョンを利用することができる。価格は以下の通り。
- Lattice3D Reporter / Lattice3D Reporter 64-bit Edition ライセンス:税別19万8000円〜(税別)、年間保守:3万9600円〜(税別)
- テンプレートオプション ライセンス:50万円〜(税別)、年間保守:10万円〜(税別)
- Lattice3D Reporter Publisher / Lattice3D Reporter Publisher 64-bit Edition ライセンス:200万円(税別)、年間保守:40万円(税別)
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