ラティス、XVL上でワイヤーハーネスのモデリングを可能にするオプション製品を発表:3次元ツールニュース
ラティス・テクノロジーは、XVL上においてワイヤーハーネスのモデリング機能を新たに提供する。
ラティス・テクノロジーは軽量3DデータフォーマットXVLの編集・閲覧ツール「XVL Studio」のオプション製品「ルーティングオプション」を2014年7月28日に発売する。同製品はワイヤーハーネスの形状をXVL上でモデリングすることができる。今までワイヤーハーネスはメカ設計と電気設計の境界線上にあり、デジタルデータ化が進みにくい部品だった。今回の機能追加により、ハーネスを含めたより統合的なデジタルデータの活用を進められるようになる。同製品は同年6月25〜27日に開催される設計・製造ソリューション展および同年7月10日に開催されるXVL3次元ものづくり支援セミナー2014名古屋会場において参考展示する(特集ページ:「設計・製造ソリューション展(DMS2014)」)。
XVLはラティス・テクノロジーが開発した3Dデータの軽量フォーマット。XVL Studioは、XVLデータを使ってデザインレビューや工程設計および検証、編集・閲覧などを行うツールだ。今回このツールのオプションとして、ワイヤーハーネスのモデリングができるルーティングオプションが加わる。「XVL製品は今まで、既にある3次元CADデータを読み込んで利用してきた。今回は新たにモデリングができる点で大きく異なる」(ラティス・テクノロジー 代表取締役の鳥谷浩志氏)という。
ルーティングオプションで定義可能なパーツは、ケーブル、ワイヤー、バンドルとなる。同オプションの主な機能は、ワイヤーおよびケーブルの手動配索、結束および分離、バンドル、そして配索時の最小曲げ半径の自動チェックである(図1)。
手動配索では、専用ウィンドウから線の種類や太さ、カラー、最小曲げ半径などを指定し、モデリング画面上で接続する点を指定すると配索できる。結束やバンドル機能も持つ。自動チェック機能では、曲げ半径の最小値を下回って曲がっていた場合、その箇所をカラー表示で指摘する(図2)。ハーネスを渡す箇所は細かく編集することができ、また干渉チェック機能によって干渉場所を確認することも可能だ。
編集画面は立体図だけでなく連動する三面図も同時に表示することができるため、さまざまな方向からレイアウト状態を詳細に確認することができる。隠線表示とシェーディング表示を混在させられるため、配線のみをシェーディングすることで製品内をどのように配線されているかが一目で分かる。また同オプションではハーネスの長さも確認できる。これによって調達時の予算などを見積もることも可能となった。
ラティス・テクノロジーがルーティングオプションを開発した背景には、産業機械や半導体装置などにおいて、ワイヤーハーネスのデジタルデータ化が遅れていることがある。ハーネスはメカ設計と電気設計の間に位置することもあり、なかなかデジタルデータ化されてこなかった。またCADでモデリングしようとすると大規模アセンブリデータ上にモデリングしなければならず、データが重さや設計者の負担が課題だった。そのため調達や組み立て、サービスなどにおいて必須の部品であるにもかかわらず、ハーネスが抜け落ちた状態だったという。一方、製造の現場では部品ができた後に配索を確認するため、手戻りが減らせない状態だったという。鳥谷氏は、同製品が境界にある作業を担うことで「異分野間のコミュニケーションも可能にするというメリットもある」としている(図3)。
ルーティングオプションは、XVL Studio ver13.0a以降に対応する。ライセンスは70万円、年間保守は14万円(税別)。XVL Studio Standard/ProおよびXVL Studio Z(図研の取扱製品)のオプション製品となる。
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